アニメーション映画監督・細田守の最新作が、明らかになった。2021年夏に『竜とそばかすの姫』が、東宝系にて全国公開される。2020年12月15日に東宝の2021年以降に向けたラインナップ発表がされ、その目玉タイトルとして発表された。
『時をかける少女』(2006年)、『サマーウォーズ』(2009年)、『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)、『バケモノの子』(2015年)と、数々の傑作・ヒット作を放ってきた細田守監督の『未来のミライ』(2018年)以来の3年振りの新作映画となる。『サマーウォーズ』以降そうであったように、今回も監督・脚本・原作を細田守が手掛ける。細田ワールドが存分に堪能できそうだ。
気になるのは作品の内容だが、情報は限られている。発表されたのは、タイトルと一枚のコンセプトアートボード。このコンセプトアートボードは”U”と呼ばれる作中の舞台を描いている。それは全世界で登録アカウント50億人を突破するインターネット世界なのだという。
細田監督はこれまでも『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム』(2000年)や『サマーウォーズ』でインターネットやデジタル世界を描いてきた。しかしそこから20年、11年が経ち、デジタル技術はさらに飛躍的な発展を遂げている。細田守監督がいま現在のそれらを作品にどう取り込むのか、大きな期待と関心を集めるだろう。
さらにもう一点。インターネットの世界とは対照的なタイトル『竜とそばかすの姫』がある。ファンタジックな世界を彷彿させる「竜」、「姫」のワードが、どう作品につながるのか。
ストーリーやスタッフも明らかにされておらず、さらなる情報は公開まで徐々に明らかになるだろう。公開まではおよそ半年と意外に間近だ。
細田守監督は大学創業後、東映動画(現・東映アニメーション)へ入社、アニメーターを経て演出になった。『劇場版デジモンアドベンチャー』が映画監督デビュー、フリー後に『時をかける少女』で一躍注目を浴び、以降『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』、『未来のミライ』と3年ごと長編映画を発表し、いずれも大ヒットになっている。今回も3年ごとのペースを守っている。
2018年の『未来のミライ』ではカンヌ国際映画祭・監督週間に選出され、米国アカデミー賞、ゴールデングローブ賞の長編アニメーション部門にノミネート。アニー賞では最優秀インディペンデント・アニメーション映画賞を受賞する。海外での評価も大きく高まった。『竜とそばかすの姫』でも、日本のみならず、海外での活躍が期待される。
また2011年には、齋藤優一郎プロデューサー共に自身のアニメ映画を制作するスタジオ地図を立ち上げている。2021年は創立から10周年にあたるため、最新作公開と節目の年とも重なった。
スタジオ地図はアニメーションの企画・制作だけでなく、細田作品を様々な面からサポートする。『竜とそばかすの姫』でも、日本テレビと伴にスタジオ地図LLPとして製作幹事を務めている。映画、そして映画に合せた様々なイベントや企画もありそうだ。
監督・脚本・原作 : 細田守
『竜とそばかすの姫』
https://www.ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/
2021年夏、全国東宝系公開
企画・制作:スタジオ地図
製作幹事:スタジオ地図有限事業組合( LLP )・日本テレビ放送網 共同幹事