第29回日本映画批評家大賞の受賞作品・受賞者が、2020年6月15日に発表された。このうちアニメーション作品賞は、『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』に決定した。
アニメーション作品賞は、2019年に公開されたアニメーション映画で最も優れた作品を選ぶものだ。映画全体を対象にする作品賞とは別に設けられている。作品賞は『愛がなんだ』、監督賞は『火口のふたり』の荒井晴彦が受賞している。
当初は6月に授賞式を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大により中止となっている。授賞式はなく、今回の受賞発表だけが行われた。
『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』は、2019年にアスミック・エース配給で全国公開をした。サンエックスが生み出した「隅っこが好き」というユニークな人気キャラクターを、初めてアニメ化した話題作である。
すみっコたちが地下室で見つけた絵本に吸い込まれ、その中に登場する様々な世界で冒険するという物語。可愛いキャラクターに心暖まるエピソードが話題となった。当初の公開は中規模であったが、キャラクターターゲットの女児だけでなく、クチコミで幅広い観客を集めて興行収入約15億円の大ヒットを実現した。
アニメーション制作は、『アグレッシブ烈子』、『おばけずかん』などのファンワークスが担当した。監督にショートアニメで実績を重ねる まんきゅう、脚本に角田貴志(ヨーロッパ企画)を起用。ナレーションに井ノ原快彦、主題歌に原田智世といった布陣も世代を超えた支持を生み出した。
日本映画批評家大賞は、1991年に映画批評家の水野晴郎、淀川長治、小森和子らの提唱により誕生した。批評家の立場から映画界を励ますとの目的であった。近年は運営の混乱などがメディアで報道されたが、現在は一般社団法人日本映画批評家大賞機構が運営、複数の企業スポンサーにより支えられている。
アニメーション関連のアワードは歴史が新しく、第20回のアニメーション大賞(DIVE賞)の「名探偵コナン」シリーズが最初になる。その後、賞の名称変更や部門拡大などもあったが、前回(28回)からは『若おかみは小学生!』が選ばれたアニメーション作品賞のみとなっている。
『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』
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日本映画批評家大賞
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