湯浅政明監督の長編新作「犬王」製作発表 2021年公開目指す


■2021年全国公開目指す フランス・アヌシー映画祭でも
 国際的な活躍で世界中から注目される湯浅政明監督の新たな劇場映画プロジェクトが、2019年6月12日に明らかになった。長編映画『犬王』(『INU-OH』)である。古川日出男の小説『平家物語 犬王の巻』(河出書房)を原作に、14世紀に実在した能役者“犬王”を描く。主人公の犬王は、室町時代の大きな活躍を見せながら、資料が少ないことから現在ではほとんど知られなくなった人物だ。
 発表では長さは約90分のミュージカル作品としている。2018年末までには脚本が終っており、現在はプリプロダクションの段階。今年の夏には制作に入り、2020年末に完成、2021年の公開を目指している。
 
 今回の企画は6月10日からフランスで開催している世界最大のアニメーション映画祭のアヌシー国際アニメーション映画と併設国際見本市MIFAでも公開された。MIFAに設けられた日本の映画会社アスミック・エースのコーナーでは、早くも本作のポスターが掲出された。
 湯浅監督はアヌシー映画祭では、2017年に『夜明け告げるルーのうた』で日本の監督としては21年ぶりにグランプリ(クリスタル賞)を受賞した。今年も最新作『きみと、波にのれたら』がオフィシャルコンペティションに選ばれて、グランプリの有力作品になっている。映画祭でも常に脚光を浴びる存在だ。早くも姿を見せた次回長編映画は、大きく注目されることは間違いない。

■脚本・野木亜紀子、キャラクターデザインに松本大洋
 原作は監督が湯浅政明、脚本に実写『アイアムアヒーロー』、テレビドラマ『重版出来!』『逃げるは恥だが役に立つ』の野木亜紀子、そしてキャラクターデザインはマンガ家で『鉄コン筋クリート』『Sunny』の松本大洋を起用する。アニメーション制作は近年の湯浅作品には欠かせないサイエンスSARUが担当する。
 湯浅監督は、松本大洋のマンガを原作に2014年に『ピンポン THE ANIMATION』も監督している。新たなかたちでタッグ復活も話題になりそうだ。

 湯浅監督は、2017年の『夜明け告げるルーのうた』と『夜は短し歩けよ乙女』、2018年のNetflixオリジナルアニメ『DEVILMAN crybaby』、そして今年の『きみと、波にのれたら』と短期間に次々と話題作を世に届けている。5月にはNHK総合で放送予定のテレビアニメ『映像研には手を出すな!』の製作決発表がされたばかりだ。
 完成したフィルムは傑作ばかり。さらに子ども向けファンタジーからポップ、バイオレンアクション、ラブロマンスと、そのテーマ題材の多彩さと変化自在ぶりに驚かされる。今回新たに選んだ歴史と伝統芸能は、どんな映像と演出が登場するのかファンの期待を高めるのに十分だ。

『犬王』(『INU-OH』)
原作 古川日出男『平家物語 犬王の巻』(河出書房)
監督 湯浅政明
脚本 野木亜紀子
キャラクターデザイン 松本大洋
アニメーション制作 サイエンスSARU

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