講談社が一迅社を完全子会社化 デジタル、海外展開でシナジー効果を目指す

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2016年10月14日、大手出版社の講談社は、独立系出版社・一迅社の全株式を取得する株式譲渡契約で基本合意に達したことを明らかにした。株式取得後は、同社を完全子会社化する。一迅社の得意とするマンガ分野でのシナジー効果を目指す。
一迅社は今回の合意は事業基盤の強化のためで、とりわけデジタル分野や海外展開の強化を目的としているという。また編集における独立性、独自性は引き続き保持する方針だ。マンガ出版のデジタル化、グローバル化が進むなかで、単独でなく、大手出版社と手を組むことで事業開発を推進すると判断したとみられる。

一迅社は、1992年に現会長の原田修氏が設立した有限会社スタジオディー・エヌ・エーと、2001年に現社長の杉野庸介氏が設立した株式会社一賽舎に源流がある。両社が2005年に合併することで、現在の一迅社が誕生した。
マンガ、サブカル分野に特化することで人気作品を次々に世に送り出している。雑誌は「月刊コミック ゼロサム」「月刊コミック ゼロサム」REX 」など4誌、これに隔月刊2誌が加わる。アニメファンには、コアな特集で定評があるアニメ雑誌「Febri」でお馴染みだろう。
代表作には『最遊記』、『ゆるゆり』、『かんなぎ』、『普通の女子校生が〈ろこどる〉やってみた』、『ヲタに恋は難しい』などがある。近年はアニメ化などのメディア展開も進んでいる。アニメのムック本なども多く、こうした部分でもとりわけアニメファンに知られている。

一方、講談社は国内でも有数出版グループで、2016年11月期の決算で売上高1168億円、当期純利益は14億5000万円だった。光文社、星海社のグループ出版社、さらに音楽・映像事業のキングレコードも子会社としている。
一迅社の2016年7月期の売上高は44億円を見込むが、マンガ、サブカルチャー、さらに映像展開に強くその存在感は売上高以上だ。一迅社のグループ会社化は、サブカルチャー部門、そしてメディアミックス部門に強化につながる。

講談社 http://www.kodansha.co.jp/
一迅社 http://www.ichijinsha.co.jp/

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