バンダイナムコHDが上半期は過去最高業績更新 大人向け好調、中国市場で売上げ倍増

ファイナンス決算

 バンダイナムコホールディングスの業績好調が続いている。2020年第2四半期決算の売上高、利益が過去最高を更新した。連結売上高は3493億2700万円の前年同期比4.4%増、上半期業績見込みの3400億円を上回った。営業利益は479億4100万円(9.1%増)、経常利益は487億4600万円(6.4%増)、当期純利益が346億700万円(1.2%増)だ。
 なかでもトイホビー事業が好調で、ゲーム関連のネットワークエンターテインメント事業も利益を伸ばした。アニメが中心となる映像音楽プロデュース事業、IPクリエイション事業は伸び悩んだ。

 トイホビー事業の売上高は1280億4400万円(14.0%増)、営業利益は176億円(37.2%増)である。業績を牽引したのは大人商品展開をするハイターゲット層向けである。近年はたびたび好調を言及してきた今期上半期のトイホビー事業の売上高の40%を占めるまでになった。ハイターゲット層は、日本だけでなく北米とアジア、なかでも中国が大きく伸びた。
 中国は地域別でも拡大している。前年同期は売上高70億円だったが、今期は約2倍の135億円となった。ジャンルではハイターゲット向け、ネットワークコンテンツが、タイトル別では『機動戦士ガンダム』、『ウルトラマン』、『NARUTO」が好調だった。期間中はユニット各社の現地法人が活動を開始、集英社と共同出資する新会社も設立した。今後は中国ファンの嗜好に合った商品展開を進める。

 バンダイナムコアーツが中心の映像音楽プロデュース事業の売上高は、207億6100万円。前年同期比で1.0%増だったが、営業利益は19.1%減の38億3700万円である。高単価のパッケージが少なかったのが響いた。『ワンパンマン』、『転生したらスライムだった件』は海外向けの販売・配信が好調だった。
 サンライズ、バンダイナムコピクチャーズが中心のIPクリエイション事業は売上高78億5000万円(16.2%減)、営業利益22億5500万円(10.3%減)と厳しかった。今後は『ガンダム』の映像作品を複数展開し、さらにグローバル市場を目指す。
 ネットワークエンターテインメント事業は1530億3600万円(1.0%減)の売上げ、営業利益は249億6400万円(6.6%増)。『ドラゴンボール』、『ワンピース』、『アイドルマスター』に支えられた。リアルエンターテインメント事業な売上高468億1000万円(.6%増)、営業利益は15億2600万円(25.4%減)となった。

 タイトル別で好調だったのは、『ドラゴンボール』と『ガンダム』だ。『ドラゴンボール』は半期売上高613億円で前年同期の586億円を超え、『ガンダム』も379億円で前年の355億円を上回った。このほか『ウルトラマン』、『仮面ライダー』、『ワンピース』が前年を超えた。
 定番タイトルに業績が支えられ一方で、今後への投資も積極的だ。新たなカードゲーム「ゼノンザード」ではスマホアプリとアニメ配信を連動させる、『フットサルボーイズ!!!!!』は、アニメとスマホアプリゲーム、そして試合イベントを連動する新たなプロジェクトとしている。

 2020年3月期の業績見通しは、据え置いた。業界の環境変化が早いこと、トイホビー事業における年末年始商戦の影響の大きさ、 第4四半期に発売を予定する家庭用ゲームの大型タイトルの動向を見極めるとしている。

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