日本アニメ配信の大手グローバルプラットフォームであるクランチロールは、次回で9回目となる「クランチロール・アニメアワード 2025」授賞式を 2025年5月25日に東京で開催すると発表した。授賞式の東京開催は3回目になり、これまでと同様にその様子は、世界各国・地域にライブ配信される。
クランチロールはソニー・ピクチャーズとアニプレックスが共同出資するグローバルアニメビジネスの戦略会社で、配信プラットフォームを軸に幅広い事業を手がける。アニメアワードはそのひとつで、毎年、優れた作品をファンの手で選び出して顕彰する一大イベントだ。
2025年の授賞式では、引き続きソニーグループ代表執行役会長CEOの吉田憲一郎氏が開会の挨拶をする予定だ。グループ内でのクランチロールへの期待の高さを感じさせる。
クランチロールアワードは、2023年と2024年の過去2回は3月に東京を会場に授賞式を実施した。アニメ聖地として日本をアピールすると同時にアワードのブランドづくりにも一役買う。
今回は開催時期が2ヵ月後ろ倒しになったのは、選考対象となる作品の基準がより明確にするためだ。これまでは作品を10月1日から翌年9月末と一年の途中で区切っていた。これを該当年の1月1日から12月31日に変更する。これに合せてファン投票期間を4月からとし、授賞式の開催も5月に移行した。
新しい選考基準では、この1年間の期間中に1話(1エピソード)が日本でテレビ放送またはインターネット配信されていること、同時に正規のかたちで1エピソード以上が日本国外で配信されていることとする。ただし2025年は特例としてノミネート対象期間を2023年10月1日から2024年12月31日までとする。
審査方法は、まず審査員によってノミネート作品を選出、2025年4月3日に発表する。さらにそこからファン投票を実施する。
また今回からふたつのアワード部門を新設する。ひとつは最優秀異世界作品賞、もうひとつはヒンディー語の最優秀声優賞だ。アワードは、全32カテゴリーになる。
作品部門はこれまでに「アクション」「コメディ」「ファンタジー」「ロマンス」「日常系」があったが、「異世界」が加わる。異世界ものは日本だけでなく世界でも人気で、近年は制作本数が大きく増えている。こうしたことから独立のジャンルとして認められたかたちだ。
また最優秀声優賞(ヒンディー語)の新設も、現在のトレンドを反映している。最優秀声優賞は日本語のほかにアラビア語、スペイン語(カスティーリャ語)、スペイン語(ラテンアメリカ)、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語の8ヶ国語が設けられていた。ヒンディー語は10番目の最優秀声優賞になる。
アニメ業界では、近年、14億人の人口を抱えるインドを新しい市場として開拓を目指す動きが強まっている。クランチロールもそのひとつで、現地でイベント開催や現地語へ吹替えを積極的に導入してユーザーの拡大を目指している。現地語を代表するヒンディー語の最優秀声優賞は、そうした勢いに弾みをつけそうだ。
クランチロール・アニメアワード
https://www.crunchyroll.com/ja/animeawards/