「Gのレコンギスタ」配給にバンダイナムコアーツとサンライズ 新事業展開を目指す

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 富野由悠季監督の待望の新作アニメ 劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」の上映が2019年11月29日に決定した。作品は2014年10月から15年3月まで全26話で放映されたテレビシリーズ『ガンダム Gのレコンギスタ』に新作カットも加えて劇場サイズに再編集したものである。音声も新規アフレコとなる。
 劇場シリーズ化は早い段階から明らかにされてきたが、テレビシリーズ終了から5年、いよいよ姿を見せることになる。シリーズは5部作を予定するため、かなり壮大な物語になりそうだ。

 上映は首都圏や都市部を中心に全国22館と小規模で、期間も2週間限定と絞り込む。イベント上映のかたちで、コアなファンをターゲットに確実に作品を届ける。
 また今回注目したいのは、バンダイナムコアーツとサンライズが共同配給することだ。両社ともバンダイナムコグループに所属するアニメ業界の大手企業だが、これまでアニメ作品の劇場配給はほとんど手がけていない。特にガンダムシリーズでは初の自社配給になるだけに、バンダイナムコグループの新たな事業進出として注目される。

 国内の映画興行では、映画会社が製作者より委託を受け、全国の劇場上映(興行)をブッキングをする配給を担当することが多い。通常、劇場興行の売上げ(チケット代)の半分が興行会社(劇場)の収入となり、残りの10%から30%が配給手数料として配給会社の収入になる。これとは別に配給会社がマネジメントするP&A費と呼ばれる広告・宣伝費も差し引かれた金額が製作者に支払われる。
 しかし近年アニメ会社の一部では、製作の大きな部分を担うメーカーが自ら配給を手がけるケースが増えている。配給手数料を映画会社に支払わないことで自社の売上げと利益を拡大できるためだ。
 『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』や『劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」』などでヒットを飛ばすアニプレックス 『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』などのエイベックス・ピクチャーズである。DVD/Blu-rayの売上が急速に落ち込むなかで新たな収益源とする狙いもある。

 バンダイナムコグループも、これを目指すことになる。しかし一方で、これまで共に映画事業を手がけてきた映画会社との関係を切るのは難しい。バンダイナムコアーツはバンダイビジュアル時代から松竹やショウゲートとビジネスをすることが多かった。配給は独自のノウハウが必要とすることが多く、映画会社の協力はこれからも必要になる。
 そのなかでこれまでは松竹が配給することが多かったガンダムシリーズで自社配給に乗り出した。2014年の『ガンダム Gのレコンギスタ』放送前の劇場イベント上映では東宝映像事業部が配給したという状況もあるが、大きな決断である。
 バンダイナムコアーツは、この夏には映画配給スタッフとして営業職と宣伝職の求人募集もかけていた。今後、さらに配給事業を積極的に進める可能性が高そうだ。

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