国内では2017年3月に全国公開された『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』が、9月8日から米国公開をスタートする。配給は良質のアニメーション映画をピックアップすることで定評あるGKIDSが手がける。国内ではこれまで英語タイトルを『Ancien and the Magic Tablet』としていたが、米国公開にあたっては、邦題そのまま直訳の『Napping Princess』を採用している。
8日にまず、ニューヨークとロサンゼルスでまず公開、翌9日にはワシントンDC、サンディエゴ、ダラス、ホノルルなどの10都市に拡大する。GKIDSの公式サイトの作品紹介では、9月29日まで全34館をリストアップしている。
『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』は、アニメ監督の神山健治氏が原作・脚本・監督を務めるオリジナルの長編映画、2020年の東京オリンピック前を舞台に、陰謀に巻き込まれた女子高生ココネとその父親モモタローの冒険と活躍を描く。
ヒロインが夢と現実を行き来するファンタジックなストーリーに、東京オリンピック、AI、自動運転車といった現代的なアイテムをたっぷり盛り込んだ。神山健治監督らしい時代性と、テーマ設定が魅力となっている。
GKIDSは2008年に設立された映画会社で、米国内、そして海外の良質の子ども向け映画、アニメーションの配給でよく知られている。その作品には、日本アニメからスタジオジブリの作品、『サマーウォーズ』、『百日紅』などもある。
また、ニューヨーク国際子ども映画祭の主催者としてもお馴染みだ。『ひるね姫』は今年の映画祭のクロージングタイトルにも選ばれている。GKIDSが力をいれる作品と言っていいだろう。
またGKIDSはメジャー映画のような大規模な配給をしない一方で、作品への確かな選択眼とメディアなどに向けたプロモーションのうまさに定評がある。『かぐや姫の物語』、『思い出のマーニー』を含めて全部で7つの米国アカデミー賞長編 部門のノミネートを送り出している。
一方で配給作品は少なくない。2017年のアニメーション映画は『マイ・ライフ・アズ・ア・ズッキーニ』、『手を失くした少女』などに続き4本目になる。また『メアリーと魔女の花』の今冬公開も発表している。