近年の日本マンガ・アニメを代表する世界的な大ヒット作が、またひとつハリウッドで実写化される。人気マンガ『進撃の巨人』が、米国で実写映画になる。2018年10月30日、原作マンガを発刊する講談社より明らかにされた。
発表によれば、ハリウッドメジャーのひとつワーナー・ブラザースが製作・配給を手がけ、制作をヘイデイ・フィルムズ(Heyday Films)が担当する。監督もすでに決まっている。2017年に『IT/イット“それ”が見えたら、 終わり。』で、記録的な大ヒットを飛ばしたアンディ・ムスキエティ(Andy Muschietti)を起用する。
『進撃の巨人』は、2009年より別冊少年マガジン(講談社)にて諫山創が連載する人気マンガ。突然出現した人を食べる巨人たちにより、滅亡の危機に追い詰められた人類の戦いを描く。
2013年にはテレビアニメ化され、現在第3期が進行している。その特異な舞台設定と謎が散りばめられたストーリーが人気を呼んでいる。アニメスタート後は、米国をはじめとする海外でも絶大な人気を誇っている。英語版マンガはベストセラーの常連だ。
今回の実写化プロジェクトもこうした人気が背景にありそうだ。本作は日本でも樋口真嗣監督による2部作の実写映画が製作されているが海外では初になる。
日本マンガの実写映画化は、2017年の『ゴースト・イン・ザ・シェル』に続き、2019年の『アリータ:バトル・エンジェル』の公開が予定されている。先日は『僕のヒーローアカデミア』の実写化が報道がされ、『NERUTO』など過去に報道された企画は数多い。それだけに気になるのは、実際に実写化される可能性である。
今回の『進撃の巨人』では通常こうした企画を立ちあげる独立系制作会社のヘイデイ・フィルムズに、さらにワーナー・ブラザースの製作・配給が決まっている点が大きい。実現の鍵となるファイナンスと配給が既に決まっていることになる。
海外メディアで伝えられる実写化決定のニュースには、こうした部分が決まっていないことが少なくない。メディアの反響を得て、それを実現しようと狙いが逆にあるが、その部分はクリアしているわけだ。 加えて講談社から正式リリースが出ていることも、この作品がオフィシャライズされており、かつ原作側の大きな協力を得られていることを感じさせる。
プロジェクトの中心となるヘイデイ・フィルムズは、プロデューサーのデイビッド・ヘイマンが1997年に設立した。これまでにJ.K.ローリング原作のファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズの映画化を実現したほか、『ゼロ・グラビティ』、『アイ・アム・レジェンド』、『パディントン』などの大ヒット作を輩出している。高い実績は、今回もビッグバジェットの大作を期待させるのに十分だ。