福島県に拠点を持つアニメ製作会社の株式会社福島ガイナックスが、木下グループの傘下となった。2018年8月20日、木下グループと福島ガイナックスが明らかにした。
発表によれば、木下グループは2018年7月26日付で福島ガイナックスの全株式を取得、完全子会社とした。子会社化に伴い8月9日には社名を株式会社ガイナに変更、さらに本社を東京都小金井市に移転した。2018年8月以降は、都内に制作拠点を持つアニメ製作会社として事業展開を目指す。
一方で、福島にも引き続き事業の一部を残す。福島ガイナックスの事業のうち博物館運営をスピンオフし、8月8日に設立した福島ガイナに移管した。福島ガイナはアニメ関連施設運営とイベント事業の会社として、アニメミュージアム「福島さくら遊学舎」などを拠点に活動する。
株式会社ガイナ、福島ガイナのいずれも、代表取締役社長は浅尾芳宣氏、取締役会長は木下直哉氏が務める。
福島ガイナックスは2014年11月に、『新世紀エヴァンゲリオン』や『ふしぎの海のナディア』、『天元突破グレンラガン』などの人気作のアニメーション制作で知られるガイナックスの関連会社として設立された。
直近までガイナックスの名を冠していたが、2015年12月には資本関係を終了している。プロデュースなどでの協業のみをしていた。
一方で2015年以降は、アニメ関連イベント事業のほか、都内にスタジオを持ちアニメーション制作もしている。木下グループの協力を得ることで、今後はさらに本格的なアニメーション制作事業を展開することになりそうだ。
木下グループは、住宅建設の木下工務店を中心にした企業グループ。総合生活企業を掲げることで、医療や教育など幅広い事業を抱えている。
スポーツ・文化も主要事業のひとつ。映画製作・配給のキノフィルムズは、映像関係者のなかでもよく知られている。映画・アニメの製作出資にも積極的だ。2017年にはテレビアニメシリーズ『正解するカド』にも出資している。
しかしアニメ製作会社のグループ化は今回が初になる。アニメビジネスにこれまで以上に関与を深める木下グループが、今後どのような展開をするかが注目される。