今年で20回を迎える韓国の富川国際アニメーション映画祭が、各部門のオフィシャルコンペティションをこのほど発表した。オフィシャルコンペは映画祭最終日に発表されるアワードの選考対象作品となる。
富川国際アニメーション映画祭は、1997年にスタート。アジアでは数少ない総合的なアニメーション映画祭となっている。2018年は10月19日から23日まで、5日間開催される。
日本からも各部門で作品が選ばれた。短編部門は2作品、水江未来氏の『Dreamland』、冠木佐和子氏の『Waaah』が選ばれた。『Dreamland』はフランスのCanal+の支援を受けて制作した作品で、先頃アヌシー国際アニメーション映画祭のクロージングセレモニーでプレミア上映され話題を呼んだばかりだ。また冠木氏は、近年、海外での活躍が著しい。富川での活躍も期待できそうだ。学生部門には多摩美術大学の岡本千広氏の『Factory』が入った。
テレビ&受託部門は日本から3作品がラインナップされている。シリーズ作品からはアヌシーでもコンペインした『B: The Bigining』(中澤一登)が再び選ばれている。片山拓人氏の『LoTus』は音楽ユニットUQiYOの『loTus feat. Pt. Ajay Pohankar』のミュージックビデオになる。新井風愉氏の『Love is Organic』は、オーラルピースのCMとして制作されている。
長編部門のみは今回発表がなかった。後日のリリースを待つことになるが、例年、日本映画も多く含まれるだけにこちらも期待される。
2018年はコンペティションに加えて、日本関連で大きなニュースがある。本年の審査委員長を『この世界の片隅に』の片渕須直監督が務める。
『この世界の片隅に』は2017年の富川国際アニメーション映画祭の長編部門のグランプリを受賞している。そんなつながりと評価の高さも含めての就任となる。
片渕監督はこのほか、映画祭の公式ポスターのビジュアル、公式トレイラーも担当した。トレイラーは長さ40秒ほどだが、片渕監督らしい伸びやかさを感じさせる。監督の貴重な新作アニメーションでもある。『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の製作発表をした片渕監督の今を伝えるものとなる。
富川国際アニメーション映画祭
(Bucheon International Animation Festival)
https://www.biaf.or.kr