IGポートが中期経営計画 2023年に売上高138億円、2021年に世界向けの大型タイトル

ファイナンス決算

 国内アニメ製作大手のIGポートは、2018年7月13日に中期5ヵ年(2019 年5月期~2023 年5月期)の経営計画を明らかにした。
 同日には18年5月期連結決算も発表されているが、業績見通しを大きく下回っていた。さらに今期も赤字予想とすることもあり、中期的な成長軌道を示す狙いがあるとみられる。

 中期経営計画によれば、2019年5月期こそ赤字だが、今後5年はむしろかなり高い成長を見込んでいる。売上高は19年5月期に97億5100万円と100億円近くまで迫る。
 さらに注目されるのは、2020年5月期以降の4年間だ。連結売上高は20年に115億9900万円、21年に142億4400万円、22年に126億2800万円、23年に138億1500万円を目標にする。成長率の高い右肩あがりのイメージだ。これに合せて経常利益も22年に8億6600万円、23年には9億4500万円にまで達する。

 かなり野心的にも映るが、アニメーション制作の計画は多くの場合2年、3年先までが固まっている。中期経営計画は、そうした現在のスケジュールを反映したものと見ていいだろう。
 なかでも注目されるのが、タイトルが明かされていない21年5月期完成予定の全世界に向けた戦略的な大型作品だ。本作はIGポートグループが主幹事となり、製作出資もする。2020年5月期中に納品、2022年5月期には版権事業で大きな収入を計上する見込みとする。逆に短期的には制作費や製作出資の先行投資が嵩むことになり、これが利益の大きな変動を招いている可能性が高い。

 しかし、売上高と利益の中期的な拡大は、単一の作品の影響だけではないだろう。2023年5月期も引き続き高い売上高と利益を目指すからだ。
 これは製作出資を通じた戦略的な投資とその結果を見込んでいるためとみられる。製作出資した作品がヒットした際の利益の大きさは2018年5月期の主力タイトルだった『魔法使いの嫁』からも理解出来る。『魔法使いの嫁』だけで、好調であった版権売上高のおよそ1/3を占めている。
 今後も積極的な製作出資は続くとみられる。グループ会社のプロダクション I.Gとウィットスタジオは、映像配信プラットフォームの世界企業Netflixと包括的業務提携を結んでいる。高予算のNetflix向け作品は、当初は大きな資金を必要とするが、作品の全ての権利がIGポートに残るため、長期的な利益が見込める。

 一方で、成長維持に向けた課題もある。19年5月期に利益を下押しした制作予算の増加の問題だ。IGポートは制作予算の見積もりと管理の正確化、正常化をするとしている。またコストの分散をするため長期シリーズ作品の受注と制作を目指す。
 もうひとつは事業の多角化だ。アニメ配信アプリ、スマートフォン向けアニメ、マンガアプリ、さらに小説の新レーベル「WITノベル」など、グループで相次ぎ新規事業に乗り出している。こうした事業はいずれも現在は先行投資となっている。いずれも競争の激しいジャンルだけに、中期的にどの程度売上げ、利益をあげるのかは、グループのさらなる成長を実現できるかどうかの鍵となる。

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