Netflixオリジナルアニメ、米国LAで発表 「ULTRAMAN」「ケンガンアシュラ」、「烈子」2期も決定

NETFLIX ♡ ANIME

 2018年7月5日、米国ロサンゼルス市で開幕中の日本アニメの大型イベントAnime Expo 2018にて、Netflixが「NETFLIX ♡ ANIME」と題したイベントを開催した。Netflixの「アニメ」カテゴリーの最新ラインナップを発表するものだ。
 イベントには同社の日本&アニメ部門のコンテンツ・ディレクターであるジョン・ダーデリアン氏が登壇、Netflixオリジナルアニメの最新ラインナップを次々に明らかにした。『ひそねとまそたん』の樋口真嗣監督、『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』のプロデューサーのアディ・シャンカル氏、『Canon buster』のレッシン・トーマス監督と、人気3作品からゲストが招かれ、会場は約2000人の来場者から大歓声となった。

 Netflixは世界最大規模の定額課金の映像配信プラットフォームとして、グローバルの映像ビジネスでその影響力を急激に拡大している。2015年には日本に進出し、日本国内でのオリジナルコンテンツ創出にも乗り出し、大きな注目を集めている。
 アニメ分野では、2017年8月に「Netflix アニメスレート2017」を開催。日本アニメはグローバなコンテンツになるとして、10数本にもなるオリジナルアニメを発表して業界を驚かせた。

「アニメスレート」から1年足らずの間にNetflixは相次いでオリジナルアニメを配信開始したが、そのほとんどが「アニメスレート 2017」で発表されたタイトルだった。この間、新たなアニメタイトルの発表はほとんどなく、Netflixの次の一手、今後はどんな作品を手がけるかが関心となっていた。
 そこで今回の「NETFLIX ♡ ANIME」である。約一年振りのラインナップ発表会となる。「アニメスレート 2017」の東京・有楽町から、期間中延べ35万人が集まる米国の最大のアニメイベントAnime Expo 2018に会場を移す。世界のアニメファンにアピールし、さらに斬新さを打ち出した。

 イベントの冒頭はダーデリアン氏が、新情報を次々に発表するところからスタートした。新作ではまずプロダクション I.GとSOLA DIGITAL ARTSが共同制作のフルCG版『ULTRAMAN』。神山健治と荒牧伸志の日本を代表する2監督がタッグを組み、往年のヒーローを新たなかたちで映像にする話題作だ。
 さらにからウェブマガジン『裏サンデー』(小学館)で連載された『ケンガンアシュラ』(原作サンドロビッチ・ヤバ子、作画だろめおん)がサプライズとなった。アニメ化は岸誠二監督、シリーズ構成・上江洲誠で発表されていたが、これがNetflix作品として世の中に送り出される。

 続いて会場にショートアニメで大人気を博している『アグレッシブ烈子』から烈子の着ぐるみが招き入れられ、大歓声に。ここでセカンドシーズンの制作決定、2019年放送が発表されると会場の熱気が高まった。
 さらに『GODZILLA 決戦機動増殖都市』、『Canon buster』、『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』の第2シーズン配信開始日と、大きな告知が相次いだ。たっぷりの新情報でファンを喜ばせる。

 後半は樋口監督、シャンカル氏、トーマス監督による笑い声や声援もたっぷりトークとなった。質問も活発で、監督たちからはAnime Expoの来場者の中心となる若い世代に対するメッセージが盛込められた。
 樋口監督は『ひそねとまそたん』企画の誕生の話から、「もし現代に竜がいたら」とのアイディアから「きっとコスプレで隠すだろう」とのコンセプトに行き着いたと。またアニメと実写の違いついて聞かれると「いまオリジナル作品を作ろうとすれば実写ではなかなか機会がなく、アニメでそれをやらせてがやりやすいことが幸せ」との言葉が印象的だった。
 また若い世代の人に対するメッセージとして、「寝ないで仕事をしろ」と驚きの言葉が。「成長すると新しい仕事をしなくなる、24時間あったら24時間仕事をしたほうがいい。僕の周りにいる人はみんなそうだった」と語る。若いうちだからこその情熱を目一杯使うをことをアドバイスする。

 会場の盛り上がりは、米国のアニメファンにとってもNetflixが身近なものになっていることを感じさせた。
 しかし、Netflixの考えるアニメが、日本のアニメファンとは少し異なることも窺えた。ゲストが招かれた3作のうち、『ひそねとまそたん』以外は海外出資の作品。『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』は原作が日本のゲーム、『Canon buster』はアニメーション制作がサテライトではあるが、日本との関わりは全体の一部に過ぎない。Netflixはアニメを日本よりもグローバルに捉えているようだ。
 今回のゲストが日本人、黒人、インド系アメリカ人いうのもNetflixならだ。米国の映像制作ではこれまで白人系が中心になりがちだった。そうした既存のエンタテイメントに対抗するカルチャーとしての役割を、Netflixはアニメに期待しているのかもしれない。

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