2006年7月15日に公開された細田守監督の『時をかける少女』が、今年で10周年を迎えた。10年は一昔と言われることが多いが、作品に対する熱い支持はいまなお続いているようだ。
公開日からちょうど10年にあたる2016年7月15日には、作品に縁の深い東京国立博物館にて細田守監督が登壇する上映会が開催された。15日の野外上映は中止となったが、翌16日の野外上映会には6500人を超えるファンが集まった。その人気の高さを感じさせた。
7月18日からは角川シネマ新宿にて、12日間にわたる期間限定上映が実施され大好評となった。東京以外での劇場上映の要望も相次ぎ、このほど新たに名古屋と大阪でも限定上映されることになった。
名古屋が2016年10月1日から7日まで、名古屋センチュリーシネマにて一週間限定。大阪は11月26日から12月2日まで、シネマート心斎橋にて一週間限定だ。
上映にあたっては、 細田守監督が自ら手がけたデジタルニューマスター版を用いたDCPフォーマットによるデジタル上映となる。クリアな映像が楽しめる。
いまでは細田監督の長編映画の原点ともされる『時をかける少女』は、公開当時はその熱狂的なムーブメントにも関わらず、来場者数は18万6000人、興収は2億6000万円と驚くほど控えめだ。作品に対する支持は、劇場から始まり映像ソフト、テレビ放送などを通じて次第に広がっていった。
2015年のテレビ放送はゴールデンタイムで視聴率13%超を記録し、2016年には渋谷パルコで行われたコラボカフェ「時をかける少女カフェ」が連日満員となっている。本作がその後の『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、『バカモノの子』の大ヒットにつながっていったのは言うまでもないだろう。
アニメの作り手としてキャリアの長い細田守監督だが、大きな注目を浴びるようになったのは、『時をかける少女』だろう。アニメ映画監督の細田守監督を発見して、今年で10年というファンも多いかもしれない。
2016年は新作公開がなかったが、メモリアルイヤーに相応しい大型企画がこれから用意されている。10月25日から始まる第29回東京国際映画祭にて、アニメーション特集として「映画監督 細田守の世界」が設けられる。ここでは過去10年の長編映画だけでなく、東映動画(現・東映アニメーション)時代も含めた作品も鑑賞できそうだ。『時をかける少女』10周年と合せて、細田守の世界を振り返るよいタイミングだ。
『時をかける少女』 公式サイト http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/