10月21日から5日間、韓国で開催される第18回富川国際アニメーション映画祭が、今年の長編部門のコンペティションに選ばれた7作品を発表した。このひとつとして国内で大ヒットになっている新海誠監督の『君の名は。』が選ばれた。
『君の名は。』は先日、ロンドン映画祭のメインコンペでも出品が発表されており、国際映画祭のコンペ入りは2作品目になる。本作の韓国での上映は、この映画祭が最初になりそうだ。
『君の名は。』以外では、スイス、ニュージランド、フランス、スペイン、カナダ、そして地元韓国からも選ばれている。いずれも秀作揃いで、この中で『君の名は。』がどのような評価を受けるのか気になるところだ。
富川国際アニメーション映画祭は、1999年に学生作品に特化してスタートした。その後、次第に学生以外の作品、海外の作品に対象を広げてきた。現在は国際映画祭として韓国を代表する映画祭になっている。
映画祭の原点となった学生部門は今年も充実している。世界各国から55作品がコンペインしているが、日本からは8本が選ばれた。『無限の火』(伊藤圭吾)、『Feed』(岡崎恵理)、『てのひらのにわ』(梅村晴香)、『Nou Nen feat.utae 』(冠木佐和子)、『アンケート』(木下絵李)、『Radio Wave』(宮嶋龍太郎)、『まごころ?マスター』(大山絵梨香)、『貝殻のウラ』(お・ゆんじぇ)である。
短編部門にも日本から4本が入っている。山村浩二監督の『サティの「パラード」』は、フランス・アヌシー、広島、オタワに続くコンペインとなる。このほかキム・ハケン監督の『Jungle Taxi』、板津匡覧監督の『みつあみの神様(Pigtails)』、田中孝弘監督の『UTOPA』となる。
『みつあみの神様』は、『百日紅~Miss HOKUSAI』のキャラクターデザイン・作画監督でも知られる板津匡覧監督になり、朗読劇のために作った異色の作品だ。プロダクション I.Gがアニメーション制作をしている。また『UTOPA』は、文化庁の若手アニメーター等人材育成事業(あにめたまご)の一作品として、スタジオ4℃が制作した。多様性のある作品をピップアップするのは、伸び盛りの映画祭だからこそだろう。
各部門から映画祭の終りにグランプリ、審査員特別賞、観客賞などが選ばれる。
第18回富川国際アニメーション映画祭
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