IGポート第3Q利益急伸 「魔法使いの嫁」などヒットでライセンス事業拡大

ファイナンス決算

 2018年4月13日、アニメ製作・出版事業のIGポートが2018年5月期の第3四半期の決算を発表した。連結売上高が前年同期比で37.7%増の64億1100万円と大きく増加したほか、営業利益が約2.7倍、経常利益が3倍と急伸している。
 営業利益は5億3600万円(168.5%増)、経常利益は5億9600万円(199.9%増)、当期純利益は2億4200万円(156.5%増)。営業利益、経常利益は第3四半期までで、通期業績予想に対して進捗率で9割を超えてきている。売上高も通期業績予想95億9200万円に対して進捗率79%と堅調だ。

 業績を牽引しているのは、版権(ライセンス)事業である。売上高が13億1800万円(22.6%増)、セグメント利益が6億8700万円(178.6%増)と好調であった。
 とりわけ自社グループで60%の出資をした『魔法使いの嫁』の海外販売がよかったとしている。このほか「進撃の巨人」シリーズ、「黒子のバスケ」シリーズ、「宇宙戦艦ヤマト」シリーズ、「ハイキュー!!」シリーズが貢献した。

 アニメ化や映像化の貢献を受けて好調なのが出版事業である。グループ会社のマッグガーデンが刊行するコミック『魔法使いの嫁』が、アニメの好調と合わせてよく売れている。またアニメ、実写映画と映像化が続く「曇天に笑う」シリーズの販売も好調だ。映像化以外では、「リィーンカーネーションの花弁」シリーズがヒットになっている。今後の映像化の候補になってきそうだ。
 売上高は12億9400万円(22.6%増)、セグメント利益は3億4900万円(56.9%増)。増収増益である。

 一方映像制作事業はマイナスから抜け出せない。売上高は36億600万円と前年同期比で39.4%増と伸びたが、セグメント損失も2億3400万円から3億9900万円に拡大した。
 業界全体のアニメーション制作のコスト増大が影響している可能性が高い。当面はコストをかけながらクオリティの高い作品を作り、ライセンス事業で利益を確保する体制が続きそうだ。

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