ニコニコ動画などを運営するドワンゴが、コスプレイヤーのビジネス化に乗り出す。4月5日、同社はコスプレイヤーと企業やメディアを繋ぐコスプレイヤー専用のエージェンシーサービス「COSPLAY AGENCY」を開始した。
提供サービスはイベントなどに出演するコスプレイヤーのキャスティングや その衣装や造作物の製作、さらにコスプレイベントの企画やコンサルティング業務にまで及ぶ。幅広いコスプレ関連の仕事が、COSPLAY AGENCYで全て頼める仕組みだ。
COSPLAY AGENCYの主要なサービスは、まずキャスティングである。イベントなどに出演するコスプレイヤーを探す企業と、コスプレで仕事をしたいと考えるコスプレイヤーをつなげる。COSPLAY AGENCYには、実績と経験が豊富なコスプレイヤーを多く登録している。これにより顧客のニーズと合ったキャスティングが実現可能になる。
またコスプレイヤーのキャスティングのほか、契約の締結やギャランティの支払いも一元管理する。企業側は作業を大幅に効率化出来るだ。さらにビジネスのスタンダードが曖昧なことから取りつき難いと感じていた企業が、コスプレを積極的に活用するきっかけにもなりそうだ。
コスプレは1960年代に米国のファンイベントで行われていたキャラクター仮装のマスカレードが日本に持ち込まれたのが源流ともされている。その後、日本アニメやマンガ・ゲームから抜け出たような装いを楽しむことで人気を得て、日本で独自に進化を遂げた巨大文化に成長した。
2000年代以降、これが海外に広がり、世界各国で「Cosplay」と呼ばれるイベントが多数開催されている。いまでは日本の代表的なポップカルチャーろされている。
さらに海外ではコスプレを演じるコスプレイヤーが、アニメ・マンガ・ゲームファンから高い支持を得ることでタレントとして活躍することも増えている。プロのコスプレイヤーも少なくない。
日本でもファン活動としてだけでなく、コスプレが商業的に活躍することが増えている。有名コスプレイヤーのなかには、メディアやイベントにプロとして出演するケースもある。
しかしファンシーンからスタートしたために、仕事の受発注や仕事のやりかたは、まだ充分定まっていない。企業がコスプレイヤーを登用する妨げにもなっている。
すでにそうしたニーズを捉えて、近年はコスプレイヤーのエージェンシー会社設立は日本でも増えている。しかし、その多くは小規模なものである。
今回ドワンゴといった大手エンタテインメント企業が正面から取り組むのは、こうした状況を変えるきぅかけになるかもしれない。一般企業などが抵抗が少なくサービス利用できれば、コスプレ活用の潜在的な需要も開発できるだろう。
またCOSPLAY AGENCYのサービスは、キャスティングにとどまらない。コスプレに必要な衣装や造形の制作もする。またコスプレイベントの企画やその総合的なコンサルティングもする。ワンストップでのサービスで、ここだけでコスプレを使ったイベントの仕事が全て揃う。
ドワンゴのコスプレイヤー専用エージェンシーサービスの進出は、日本のコスプレシーンを変えるのか、引き続き関心を集めそうだ。
COSPLAY AGENCY
https://cosplayagency.jp/