グッドスマイルカンパニー 中国作品で商品企画・開発から原型師まで 上海に新会社設立

グッドスマイルアーツ上海

 キャラクターフィギュアで国内有数のメーカーであるグッドスマイルカンパニーが、中国でのビジネスをより深く掘り下げる。グッドスマイルカンパニーは、2018年4月に中国・上海に新会社Good Smile Arts Shanghai, Inc.(グッドスマイルアーツ上海/良笑塑美(上海)文化艺术有限公司)を設立する。
 新会社は中国作品のキャラクターライセンスの交渉・商品企画、そして中国出身の原型師育成を主な目的とする。中国現地の作品とキャラクターを現地の会社にてビジネス化する。
 資本金は100万元(約1700万円)で、日本のグッドスマイルカンパニーなどが出資する。代表取締役社長には丁寧氏が就任した。また董事長は日本のグッドスマイルカンパニー代表取締役社長の安藝貴範氏が務める。2018年4月現在で従業員数は7人と、まずは小規模にスタートする。

 グッドスマイルカンパニーは、2001年にキャラクターグッズの会社として設立された。2004年から手がけたフィギュアが人気を呼び、「ねんどろいど」「figma」などヒットシリーズを生みだし2000年代後半より急成長を遂げた。
 同社のキャラクターフィギュアは、クオリティーの高さで知られており、世界中に多くのファン、顧客を抱える。現在も商品売上高のうち海外からの購入が高い割合を占めている。
 こうしたことから早くから海外進出にも積極的である。2011年には日本からのフィギュア・グッズの販売代理店であるグッドスマイル上海を中国に、さらに2014年には米国・ロサンゼルスにUltra Tokyo Connectionを設立している。自ら現地の流通チャネルを開拓する。
 
 しかしグッドスマイルアーツ上海は、従来とは異なった新しい方向性を持っている。これまでのビジネスは日本で生まれたキャラクターを中心に日本で商品を製造、それを海外に輸出する日本発という側面が強かった。
 一方グッドスマイルアーツ上海が手がけるのは、中国現地で生まれたオリジナル作品のキャラクターである。中国生まれのコンテンツを現地会社が商品として企画する。中国発で中国に向けた商品を、グッドスマイルカンパニーが手がけるというわけだ。中国オリジナルのサブカルチャー文化の成長に目をつけて、新たなビジネスチャンスを見る。そこに日本企業ならではの商品企画力やマーケティングが活かされる。
 グッドスマイルカンパニーでは、商品の企画・開発だけでなく、中国出身の原型師育成も行う。それにより生産力のアップを目指す。近い将来、中国生まれのキャラクターのハイクオリティーなフィギュアを目にすることになりそうだ。
 
グッドスマイルアーツ上海
(Good Smile Arts Shanghai, Inc./良笑塑美(上海) 文化艺术有限公司)

http://www.goodsmilearts.com

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