国内最大規模のアニメ総合イベントAnimeJapan 2018。3月24日、25日の2日間、東京ビッグサイトで、そのパブリックデイが開催となった。会場にはアニメ関連各社が趣向を凝らしたブースが立ち並び、終日多くのアニメファンで賑わった。
このうち日本テレビブースでは、2日間にわたりトークイベントを繰り広げた。『ルパン三世 PART5』、『ちはやふる』、『3D彼女 リアルガール』、『中間管理職トネガワ』といった人気アニメのスタッフやキャストが登壇した。トークの模様はYouTubeなどを通じて、熱気と共に会場の外にも届けられた。
22日午後に行われた「金曜ロードSHOW!×スタジオ地図」は、なかでも異色のトークになった。スタジオ地図のプロデューサーの齋藤優一郎さん、そして日本テレビ「金曜ロード SHOW!」プロデューサーのターニャさんこと谷生俊治さんが出演した。監督や声優ではなく、プロデューサーふたりが40分にわたりアニメ映画の魅力、楽しみかたを語るものだ。
とは言っても、齋藤さんは15年にわたり細田守監督と共に、数々の劇場アニメの制作にたずさわってきたベテランプロデューサー。またターニャさんは長年報道記者として活躍してきたが、もともと映画が大好きで日本テレビに入社したという。念願叶い6年前より「金曜ロード SHOW!」のプロデューサーを務めている。そんなふたりの話が面白くないわけがない。
ターニャさんと細田守監督作品との出会いから始まり、「金曜ロード SHOW!」にとっての大黒柱というスタジオジブリにまでトークは及んだ。
ターニャさんの細田監督の印象は、「すごい人なのに滅茶苦茶いい人。風貌は大きくてクマみたい」と。これに対して長年、細田守監督と共に映画を作ってきた齋藤プロデューサーは、「ベタベタでないやさしさ。人に興味がある」と指摘する。また「やさしく、ピュアなチャレンジャー」だとも。「同じことはやらずに、歴史と文脈を踏まえて新しいことをやる」との説明からは、プロデューサーから見た近年の細田作品評に感じられた。
さらにターニャさんは監督の作品について、「常にポジティブで、前を向く。未来に向いている」と話す。まさにそれこそが、多くの人が細田作品に心を捉えられる理由なのだろう。
そしてもちろんトークでは、7月20日公開の『未来のミライ』にも触れた。ここではすでに脚本、絵コンテを読んできたというターニャさんの感想がポイントだ。「命とはこう繋がっていくのだ」、「家族の視点の先に大きな物語がある」と。公開まで4ヵ月に迫った作品を期待させるのに充分だ。
最後は「金曜ロード SHOW!」でも『未来のミライ』を盛り上げたいと、ふたりのプロデューサーは意気投合。これまでもテレビ放送とTwitterを連動させたプロジェクトなど、新たなかたちのエンタイテイメントで世の中を驚かせてきた「金曜ロード SHOW!」だけに、夏に向けて、是非、細田守監督をテーマにした企画を期待したいところだ。