テレビ東京HD第3Qは増益 アニメ堅調、AT-Xに「けもフレ」効果
- 2018/2/4
- ファイナンス/決算
大手放送局の一角、テレビ東京ホールディングスの2018年3月第3四半期の決算が、2月2日に発表された。全体では堅調さを維持しており、売上高は1076億8300万円とほぼ前年並み(0.9%増)となった。また利益面では営業利益61億4400万円(7.5%増)、経常利益66億1400万円(9.6%増)、当期純利益41億8400万円と、いずれも前年同期を上回った。
これらはこれまでの業績見通しを上回るもので、2017年8月、11月に続き、今期3度目になる各利益の予想を上方修正した。この結果、通期の連結売上高は前年を上回る1475億円、営業利益は70億円、経常理系は75億円、当期純利益は15億円を見込む。今回の修正は投資有価証券の売却益の発生が見込まれるためで、テレビ東京の放送事業でのスポット売上の落込みをカバーする。
テレビ東京ホールディングスは、大手放送局のなかでは、売上げ、利益に占めるアニメ事業の割合が大きなことで知られている。今期もそうした勢いは続いている。
テレビ東京のアニメ事業の売上高は第3四半期までで前年同期並みの127億9100万円、さらにアニメ専門局運営のエー・ティー・エックスの売上高は45億5000万円(1.8%増)。合算するとグループ全体の売上げの16%を占める。またアニメ事業の粗利益は41億8500万円(11.9%減)と、利益率の高さも際立っている。
アニメ事業では、『NARUTO』の海外向け配信権販売が依然好調である。さらに『ポケットモンスター』、『フェアリーテイル』のゲーム関連も好調だった。『妖怪ウォッチ』の国内商品の減少をカバーした。
一方で、国内映像配信プラットフォームへの投資が嵩んだ。アニメ映像配信のプラットフォーム「あにてれ」の初期投資費用が利益を押し下げた。
アニメだけでなく、他ジャンルのライツ事業も堅調だった。Netflix向けの実写オリジナルドラマの『100万円の女たち』、『さぼリーマン甘太朗』、『Re:Mind』の配信権料が貢献した。さらに過去作品の配信追加印税の伸びも大きく、配信関連が収益に貢献している。一方でDVDでも『勇者ヨシヒコ』、『孤独のグルメ』の販売が好調だった。中国向けの番組販売で検閲の強化による契約遅延が発生したが、これをカバーしている。
フィギュアスケート「ジャパンオープン2017・カーニバルオンアイス2017」や「トミカ博in YOKOHAMA」の好調だったイベント部門も含めて、ライツ事業全体では売上高は186億5500万円(4.6%増)、粗利益は70億6900万円(3.4%減)となった。
またエー・ティー・エックスは、アニメ専門チャンネル「AT―X」の加入者数減少をライツ事業でカバーする戦略がより明確になっている。ライツ収入の売上増加が、加入者数減少の影響を上回った。なかでも製作投資をした『けものフレンズ』が好調だった。