VIZ Media ヨーロッパの新社長に、祥伝社・前社長の竹内和芳氏

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 ヨーロッパにおける日本のマンガ・アニメの出版・流通の大手VIZ Media ヨーロッパの新社長に祥伝社の前社長である竹内和芳氏が就任することが明らかになった。現社長の成田兵衛氏は、エグゼクティブ・アドバイザーとして、引き続きVIZ Media ヨーロッパに関わる。
 竹内和芳は1974年に祥伝社に入社、2002年からは代表取締役社長を務めた。2015年末に退任して顧問となっていた。今回は新たに日本のマンガ・アニメビジネスをヨーロッパに広げることになる。

 VIZ Media ヨーロッパは、日本の集英社、小学館、小学館集英社プロダクション(Shopro)の3社が出資するヨーロッパの現地法人にあたる。米国のVIZ Mediaの兄弟企業ともいえる存在だ。ヨーロッパ圏からさらに中東、アフリカまで広く日本のマンガとアニメを展開する。
 パリに本社を持つVIZ Media ヨーロッパを中心に、2009年に買収したフランス企業KAZE、ドイツのゲーム・日本アニメの流通大手AV Visionen、さらにVIZ Media スイスを子会社としている。ヨーロッパには日本マンガ・アニメを扱う大手企業が多い中で、広い地域をカバーすることで存在感を発揮する。
 取扱いタイトルには、『ワンパンマン』、『僕のヒーローアカデミア』、『バクマン』、『テラフォーマーズ』など近年の人気タイトルが数多い。また劇場アニメ『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』もグールプで取り扱った。

 VIZ Mediaヨーロッパは2007年に、米国VIZ Mediaの子会社として設立された。その後、現在の日本の3社が出資するかたちに再編された。初代社長はVIZ Media出身のジョン・イーサム氏、現社長の成田兵衛氏もVIZ Mediaでの海外経験が長かった。
 竹内和芳氏の出身会社である祥伝社は小学館が大株主であることから、小学館・集英社を中心とする一ツ橋グループと呼ばれる企業グループの一社とされている。しかし、小学館、集英社、Shopro、VIZ Media以外からの、海外経験のない竹内氏の社長起用はサプライズだ。逆に言えば、VIZ MediaやVIZ Media ヨーロッパの事業が一ツ橋グループのなかでより重要性を増していることの現れなのかもしれない。
 
VIZ Media ヨーロッパ http://vizeurope.com/en/

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