年一度、日本のアニメ作品、そしてビジネス関係者も一堂に集まる大型アニメ総合イベントのAnimeJapan 2017が2017年3月23日にスタートした。2017年は、これまでの3日間開催から、ビジネスエリア2日間を1日繰り上げるかたちで4日間開催に延長した。独立した前半2日間のビジネスデイ、後半2日間のメインエリア(一般デイ)で構成される。
毎回、出展団体数、動員数の過去最高を記録するメインエリアが注目されがちだが、AnimeJapanはビジネス機能も着実に拡大している。今回も出展団体数は、過去最大の59に達した。
今年の会場は、昨年と同じ東京ビッグサイトの会議棟1Fのレセプションホールとなっている。しかし、会場を訪れると、昨年までは個別企業のミーテングスペースであった部分の多くが、出展ブースに変わっていた。
このため通路などが広くなり、全体的にこれまでより余裕のある空間となっていた。一方、ミーティングは別室の「商談コーナー」が活用されていた。
出展ブースは、メインエリアと異なり最大で3コマ。多くは1コマと派手さはない。しかし、それぞれの企業では、海外のバイヤーを中心に積極的に商談を重ねる姿が見られた。それは週末のメインエリアに勝るとも劣らない熱気に溢れていた。
出展では、海外の企業・団体がこれまでより目立っていた。ひとつは一昨年から増えた中国勢である。中国資本の制作会社である絵梦、日本でもお馴染みになってきたビリビリ、NetEaseといった企業である。
もうひとつは海外のポップカルチャーイベントの主催団体だ。米国のAnimeExpo、オタコン、フランスのジャパンエキスポといった老舗、先日、C3とのイベント統合を発表したばかりのAnime Festival Asia。このほかロシアから「HONODE POWER JAPAN」、また米国最大のポップカルチャーイベント主催企業ReedPOPの姿も見られた。こうしたイベントには、AnimeJapanは日本企業の出展を求める場となる。
日本企業は、メインエリアに出展せずにビジネス出展のみするキングレコードや、メインエリアに出展しビジネスエリアに出展しないバンダイビジュアルと様々だ。しかし、ブースを設けない企業でも、AnimeJapanの時期には、来日したバイヤーと多くのミーティングを重ねている。
しかし、そうしたミーティングは日本と海外のビジネスが中心で、もしくは会場は日本のビジネス関係者の挨拶の場となっている。主催者がもうひとつのビジネス機能として目指す、国内異業種とアニメ企業の結びつけに関してはやや力不足に見えた。そちらは「AJ×ABPF アニメビジネス大学」として設けられたセミナーが大きな役割を担った。
AnimeJapanに併催するかたちで、同じで東京ビッグサイトで行われた企画もビジネス機能の補完に大きな役割も果たしている。JETROによる海外企業とのビジネスマッチング「AJ×JETRO Anime Biz Match」は、今年も海外の有力バイヤーを招き、活気に満ちていた。
映像産業振興機構(VIPO)によるJ-LOP4事務局は、「国別マッチングフォーラム(中国編)」と題し、日本企業と中国企業の講演を11プログラム、そしてパネルディスカッションも設けた。
両国企業がそれぞれ日中のコンテンツビジネスを紹介するのだが、中国ビジネスの関心の高まりもあり、会場は満員となった。日本のアニメビジネスの現況を反映するような場面となった。
日本アニメの海外進出が、ますます必要とされている。企業ブース、セミナー、ビジネスマッチング、いずれもが、そのために重要な役割を果たしている。そんなAnimeJapan 2017のビジネスエリアであった。