中国テンセントの人気マンガをアニメ化、監督・脚本にラレコを起用 「兄に付ける薬はない!」

『兄に付ける薬はない!-快把我哥帯走-』

 中国で日本のアニメが人気を獲得するなか、中国と日本をつなぐ新たなかたちのビジネスが増えている。なかでも最近注目されているのは、中国の人気コンテンツを日本でアニメ化、さらにそれを日本と中国の双方で展開するものだ。
 2017年春、なかでも注目される作品がスタートする。TOKYO MX1では4月に放送開始する『兄に付ける薬はない!-快把我哥帯走-』である。テレビ放送だけでなく、日中での配信も実施。中国では一足早く3月からテンセントの映像配信プラットフォームで配信をスタートする日本と中国を股にかけた新作だ。

 原作となる『快把我哥帯走』は、中国で幽・;霊がウェブ連載する人気マンガ。バイオレンスな妹に、おバカな兄、個性たっぷりの兄妹の笑える日常は描き中国で大人気を誇っている。作品の累計閲覧回数は5億回を超えるという、中国でもトップクラスのヒット作になる。
 アニメ化にあたっては、驚くべきスタッフが飛び出した。監督・脚本に『やわらか戦車』、『英国一家、日本を食べる』といったショートギャグアニメの第一人者ラレコを起用した。中国のコメディーを日本のラレコがどう料理するのかが注目される。アニメーション制作は、イマジニアとがんばれ!ルルロロ』、『アグレッシブ烈子』などのファンワークスとなる。
 日本語版のキャストには、中村悠一、雨宮天、小野賢章と若いアニメファンに人気の声優を並べる。こちらも大きな話題になりそうだ。

 原作の権利はテンセントが保有しており、その高い人気から今回のアニメ化につながった。アニメ化にあたっては、テンセントペンギン・ピクチャーズと日本のコンテンツ・キャラクター事業のイマジニアが協業する。
 テンセントペンギン・ピクチャーズは、中国のITメディアの巨人テンセントと上海のペンギンピクチャーズにより設立された新会社である。配信用番組の製作、映画出資などを手がける。『兄に付ける薬はない!-快把我哥帯走-』もそうしたひとつになるが、テンセントは巨大な配信網を持つだけに、作品はかなり大勢の視聴者に楽しまれることになる。

『兄に付ける薬はない!-快把我哥帯走-』
(中国語タイトル:快把我哥帯走)

[スタッフ]
原作: 快把我哥帯走(原作者:幽・;霊)
脚本・監督: ラレコ
プロデュース: Tencent Penguin Pictures
アニメーション制作: イマジニア/ファンワークス
[キャスト]
時分: 中村悠一
時秒: 雨宮天
開心: 小野賢章

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