トムスがクリエイター職に新人事制度、正社員で賃金・福利厚生を総合職と同水準

トムス・エンタテインメト

 アニメ大手のトムス・エンタテインメントが、アニメ制作のクリエイタースタッフに向けた新たな正社員新人事制度を制定した。クリエイター職の人材を正社員雇用する際に、就業環境の確保や安定したキャリアパスをサポートする仕組みとなる。
 新制度の特徴は、これまで職種の違いから異なっていた就業条件を制作進行職や営業職などの正社員に寄せていることだ。給与水準や福利厚生をこれらの正社員と同水準とする。
 同時にクリエイターの特性に合わせた仕組みも導入する。各人のステージに求められるスキルレベルを明確化し、段階的に成長できることを目指す。トムスでは新制度の導入により、若手の定着や技術継承が強化されることを期待する。新制度は新人だけでなく、現在は契約社員として働くクリリエイターが正社員にステップアップする場合にも適用される。

 トムス・エンタテインメントのアニメ事業は1964年に東京ムービーとして設立されたのがスタート。以来、『名探偵コナン』や『ルパン三世』、『アンパンマン』など数多くの作品を手がけている。歴史の古さだけでなく、現在の業界を牽引する大手の一角を占める。
 それでも近年の日本のアニメ業界で進む熟練クリエイターの高齢化や新人クリエイターの参入減少、人材不足などを課題とする。その課題を打開するため「作り方改革」「産業構造改革」「人づくり改革」を掲げている。
 なかでも人材育成やキャリアプランは重要課題と捉えている。そこで2021年度には、新人クリエイターが1年間作画の基本を学ぶ「TMS作画アカデミー」を開校した。卒業生からは高い技術を持つ者を契約社員として直接雇用している。今回の新人事制で度は、アニメ制作を担うクリエイターの就業環境のさらなるアップを目指す。

 近年、クリエイターの就業環境改善への取り組みが進むアニメ業界だが、クリエイター職については依然、フリーランス、業務委託契約が中心だ。業界大手の新たな試みが、今後他社にどのような影響を与えるかも関心を呼びそうだ。

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