2017年北米コミック市場は10億超ドル、前年比6.5%減 電子書籍に勢いなく

ファイナンス決算

 米国のComichronとIcv2は、7月13日に2017年の米国とカナダのコミック市場の概要を発表した。Comichronはコミックス市場の調査会社で、Icv2はポップカルチャービジネスの情報会社として知られている。2013年より共同で年間レポートを作成している。
 発表によれば、2017年の北米のコミック・マンガの売上高は10億1500万ドルであった。前年の10億8500万ドルよりも6.5%の減少となる。全体のうち単行本形式のグラフィックノベルが5億7000万ドルで全体の過半数を占める。また雑誌形式のコミックブックが3億5500万ドルで3割強、電子書籍は9000万ドルで10%をやや下回る。
 今回の調査では日本の翻訳マンガのみの集計は、含まれなかった。

 サプライズは、ComichronとICv2が市場推計を見直した2012年、2013年も含めて、過去6年間で初めてコミック市場規模が前年を下回ったことだ。前年は10%の増加、近年はコミックス原作の大作映画のヒットが続いており、原作コミックの読者も増加が期待されていた。それだけに、やや残念なサプライズとなった。
 両社はキッズ向けのグラフィックノベルの販売好調にも言及しているから、ヤングアダルトからアダルトに向けた作品の販売が映画やテレビ番組のヒットほどには拡大していないことになる。

 もうひとつのサプライズは、引き続き電子書籍の成長が鈍いことである。電子書籍の販売は前年と同じ9000万ドル。2016年は前年比で初の減少1億ドルの大台割れとなったが、2017年も減少分を取り戻せなかった。音楽や映像の配信サービスが急成長するなかで、デジタルの販売比率が際立って低いことと成長の鈍さは北米のコミック業界の特長になっている。
 さらにコミック業界の近年の傾向は、一般マーケットの拡大傾向とコアマーケットの縮小傾向である。販売チャネルでは、コアファンの利用が多いコミックス専門店が前年比10%減で2年連続の減少。一方で一般書店などの販売は1%減にとどまっている。同様に単行本形式のグラフィックノベルが、コアファンの購入が多いコミックブックスの売上をさらに引き離している。
 
Comics and graphic novel sales down 6.5% in 2017
http://blog.comichron.com/2018/07/comics-and-graphic-novel-sales-down-65.html

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