米国コミック流通のダイヤモンド・コミック・ディストリビュター 連邦破産法11条を提出

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 米国のコミック流通の老舗ダイヤモンド・コミック・ディストリビュター(Diamond Comic Distributors)が、2025年1月14日にメリーランド州の連邦破産裁判所に米国破産法第11条を提出したことを発表した。11条は日本の民事再生法にあたるもので、ダイヤモンドは事実上経営破たんした。今後は裁判所の管理下で債権整理をし、経営再建を目指す。
 同社は関連会社として英国法人のダイヤモンドUK(Diamond UK)、一般書籍のダイヤモンド・ブック・ディトリビューター(Diamond Book Distributors)、コレクターズアイテムのコレクティブル・グレーディング・オーソリティ(Collectible Grading Authority)、玩具のダイヤモンド・セレクト・トイ(Diamond Select Toys)などを持つ。経営再建はこれらの企業の再編も含めたものになりそうだ。すでにユニバーサル・ディストリビュター(Universal Distribution)から3900万ドルでの事業買収の提案を受けていることも明らかにしている。

 ダイヤモンドは1982年に設立された米国コミック流通の老舗。かつてはマーベル、DCコミックスをはじめ米国主要コミック出版社とコミック専門店をつなぐ中間流通をほぼ独占していた。さらにマーケティングや売上・販売情報、コアファン向けグッズなどでも、業界に大きな影響力を持っていた。
 しかし2020年のコロナ禍で起きた混乱がダイヤモンド衰退の引き金となった。ダイヤモンドはコロナ禍を理由に小売店への出荷を停止するなど混乱し、これに不満を持ったDCコミックスが自社商品の流通をダイヤモンドから引き上げ同業他社に切り替えた。2021年春には業界最大手のマーベル・コミックがこれに続き、2大出版社を顧客から失う。これにより業界での影響力は急激に低下した。
 さらに2021年にはIDW、2023年にダークホース、イメージ・コミツクもダイヤモンドから離れ、直近でBoom!スタジオがダイヤモンドからの流通切り替えを明らかにしたことで、有力スタジオのほとんどの契約を失っていた。こうした厳しい環境が業績に影響を与えたとみられる。

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