“テックアニメスタジオ”を掲げる新興アニメーション制作会社スタジオメイフラワーが、チーフ・クリエイティブ・オフィサーとしてアニメ監督・演出の中山竜氏を迎えた。中山氏の参画はスタジオメイフラワーの経営体制を拡充するもので、高品質なアニメの制作や監修力を強化する。
スタジオメイフラワーは、同社CEOの立野大晟氏が2023年に立ち上げた。新技術の導入とデジタルソフトウェアを活用し、制作工程を合理化する柔軟なフロー設計を進めるスタジオになる。高いクオリティを維持しながら、制作工程を効率化するとしている。また2024年5月にアニメやVTuberの関連ビジネスを手がけるベンチャー企業AnotherBallに買収され、現在は同社のグループ会社になっている。
AnotherBallは、子育て情報アプリ「ママリ」やPRISM Projectを立ち上げた企業家の大湯俊介氏らが2022年にシンガポールで立ち上げた。バーチャルクリエイター向けのストリーミングアプリ「AniLive」の開発・運営をする。2023年には2度にわたり、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から約22億円を資金調達している。
スタジオメイフラワーを通じて、アニメビジネスへの本格参入を表明していた。中山氏のCOO就任は、そうした目標を進めるものだ。
中山竜氏は大学を卒業後、アニメーターとしてアニメスタジオに所属。その後、演出に進出して『Fate/Grand Order』や『呪術廻戦』といった話題のヒット作に参加した。その実績と高い評価から2022年にはテレビアニメシリーズ『チェンソーマン』で監督として抜擢された。
2023年には自らの会社Andraftを設立し、企画やプロデュースなどにも取り組む。アニメーション制作の新しいアプローチが必要としており、スタジオメイフラワーの挑戦的なマインドセットに共感したことがCOOでの参画の理由だとしている。