映画大手の東宝が、自社作品の二次利用窓口を一本化する。2018年10月1日に映像作品の二次利用を担当する部署として、映像本部デジタル・コンテンツ営業室を開設した。
東宝ではこれまで映画営業部、映画企画部、映像事業部が、それぞれ個別に業務を行っていた。デジタル・コンテンツ営業室は、映画、ドラマ、アニメの全ての販売窓口となる。
デジタル・コンテンツ営業室の設置は、近年の動画配信市場の急成長もありそうだ。東宝は動画配信が、二次利用のマーケットのなかでテレビ放送やビデオと伴に重点的に取り組む領域としている。
さらに東宝は現在、映画製作への出資を強めている。アニメではテレビシリーズ、映画とも先行して製作出資を強化してきた。今後自社作品がますます増えるなかで、二次利用の窓口の社内効率化を進める方針とみられる。
デジタル・コンテンツ営業室は、テレビ番組販売、動画配信向け販売のほか、業務用配信や機内上映、さらに映像の部分使用などの幅広いセールス業務を担当する。さらに自社以外へビデオ化権ライセンスも行う。国立映画アーカイブの窓口部署ともなる。一方で従来から大きな位置を占めているパッケージ(ビデオソフト)に関連する業務は行わない。
テレビ放送や配信会社は、映画、ドラマ、アニメも同じように取り扱っているだけに、窓口の一本化は利用側からも歓迎されそうだ。