中国で動画配信プラットフォームやアプリゲーム運営をするビリビリの2021年の総売上高が193億8300万元と日本円で3500億円を超えた。前年の119億9800万元から62%増と引き続き事業成長が続いている。
前年まではモバイルゲーム事業の売上が全体の4割を占めていたが、2021年は6%増と低い伸びにとどまり売上高は50億9000万元だった。替わってバリューアドサービス(プレミア配信)事業が80%増と大きく成長、売上高69億3400万元と最大事業となった。広告事業も28億3400万元(145%増)、Eコマースなどが28億3400万元(88%増)と伸びている。
ビリビリは売上の拡大は配信事業のマネタイズを強化した成果とする。プレミア配信会員やライブ配信からの売上げが伸びた。広告収入も配信からのものだ。収益のアプリゲーム一極依存から脱却した配信と商品開発・販売拡大という事業多角化が、成長の原動力となった。
一方で宣伝・マーケティング、研究開発、管理コストといったコストが拡大していることで、収益面では苦戦が続いている。最終赤字は68億800万元(約1250億円)と前年の30億5400万元から倍増した。売上の3割超の規模と大きく、また2018年の上場以来4年連続の最終赤字から抜け出せない。
こうした業績は株価にも反映され、昨年秋以来、ビリビリの株価は下落基調となっており、今回の決算発表後も価格を下げた。直近のニューヨーク市場では25ドル前後をつけており、2021年2月の高値153ドルから下落率は80%を超える。
ニューヨーク、香港での株式上場で数千億円規模の資金調達をしており手持ち資金は豊富だ。しかし今後どの時点で黒字転換できるか見通しを示すことが株価回復の鍵になるだろう。