日本だけでなく、世界的にも人気の高い『ポケットモンスター』。そのフランチャイズの中心となるテレビアアニメの米国放送が、2016年末に大きく変わる。新たなテレビシリーズの放送が、2016年12月よりディズニーXDに移る。これまではタイム・ワーナー系のカートゥーンネットワークで放送されていた。
株式会社ポケモンの米国法人The Pokémon Company Internationalは、ポケモンのテレビアニメシリーズ最新作『ポケットモンスター サン&ムーン』を2017年よりディズニーXDで放送開始すると発表した。またレギュラー放送に先立って、2016年12月5日に大型企画の「ポケモンマラソン」を実施する。『ポケットモンスター サン&ムーン』の第1話、第2話の先行放送と、日本では2017年夏に公開されたばかりの劇場映画『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナ』も放送される。
日本ではポケモンシリーズは、長年、地上波放送はテレビ東京系列が担当しているが、ケーブルテレビではキッズステーションのほかディズニーXDでも放送されている。日米のディズニーXDにポケモンシリーズが登場する。
ポケモンは人気の日本アニメが多い米国でも、とりわけ広く知られてきた。1998年には地上波テレビネットワークのワーナーテレビジョン「Kids’ WB」枠で早くもテレビシリーズが放送されている。2000年前後の米国のポケモンブームの中心となった。
しかし、ポケモンブランドの管理会社変更などもあり、2006年に主要な放送局を子ども向け番組の大手ケーブル局カートゥーンネットワークに移していた。今回の放送局の移動は、これに次ぐ大きなものだ。
Kids’ WB、カートゥーンネットワークは共にタイム・ワーナーの系列、1999年から2001年に公開され大ヒットになった劇場映画3本もワーナー・ブラザース配給であった。これまで米国でポケモンと言えば、タイム・ワーナー色が強かったが、これがディズニー系に移るのは関係者に驚きを与えそうだ。
ディズニーXDは複数あるディズニー系のケーブル局のなかで、少年をメインターゲットにしている。アニメーションだけでなく、スポーツ、ゲームをテーマにした番組も数多い。有力チャンネルとして人気が高く、ブランド力の高さはカートゥーンネットワークを上回る。それだけ、新シリーズと併せての放送局変更はポケモン側の意欲の高さも感じられる。
スマホアプリゲーム「ポケモンGO」で大ブームを巻き起こす中で、ポケモンに対する関心がまた大きくなっている。ポケモンブランドのさらなる拡大が試されることになる。