2021年3月期のテレビ東京ホールディングス(テレビ東京HD)のアニメ事業が好調だった。5月13日に発表されたテレビ東京HDのアニメ事業の売上高は前年比6.3%増の228億8700万円。過去最高となった。
会社全体では連結売上高1390億8400万円(4.2%減)、営業利益52億2800万円(2.0%増)、経常利益が53億4000万円(3.5%増)、当期純利益が25億7500万円(0.6%増)とほぼ前年並み。アニメ事業はコロナ禍での業績も下支えした。
そのアニメ事業もコロナ禍と無縁ではない。国内だけを取れば売上は55億6600万円、前年比6.3%減だった。商品化ビジネスは前年並みだったが、劇場ア二メのタイトル数が前年比で減少するなかで、興行収入も影響を受けたとみられる。
好調だったのは海外である。配信が引き続き国内と海外で好調であった。さらに『BORUTO』のアプリゲームが中国を中心に海外で売上を伸ばしました。
キャラクター別でも『BORUTO』と『NARUTO』の売上げと利益が大きい。一方で『遊戯王』、『ポケットモンスター』、『ブラッククローバー』、『BLEACH』といった人気タイトルを多く保有するのが強みだ。
[テレビ東京 アニメ通期タイトル別ランキング]
【売上高】
①『BORUTO』
②『NARUTO』
③『遊戯王』
④『ブラッククローバー』
⑤『BLEACH』【粗利益】
①『NARUTO』
②『BORUTO』
③『ポケットモンスター』
④『ブラッククローバー』
⑤『フェアリーテイル』
*テレビ東京ホールディングス2021年3⽉期(2020年度)通期決算補足資料より
アニメを含むライツ事業全体の売上は304億9200万円で1.1%増、営業利益は103億1700万円4.0%減である。実写放送番組が中心のコンテンツ部門が冴えなかった。
コンテンツ事業の売上は54億8600万円で11.4%の減少である。コロナ禍の影響を受けた新作ドラマの制作中断や延期もあり、放送番組の配信向け販売が不調だった。中国向けの番組販売も振るわなかった。この結果、ライツ事業全体におけるアニメ部門の売上高が約75%となった。
テレビ東京HD全体のアニメ事業では、アニメ専門チャンネルAT-Xを運用するエー・ティー・エックスの業績は厳しかった。加入者数が引き続き減少している一方で、広告関連事業についても、新型コロナウイルスによる製作スケジュールの遅れが響いた。売上高は前年比で22.2%減、46億4700万円だった。