東宝第2Q業績急回復、「呪術」「ウマ娘」「ヒロアカ」でアニメ牽引

ファイナンス決算

 映画事業最大手の東宝の業績が急回復している。2021年10月12日に発表された22年2月期第2四半期で、同社の連結売上高は1180億5000万円と前年同期比で59.5%増との高い伸びとなった。前々期の1440億5800万円に及ばないが、コロナ禍で受けた打撃を急速に取り返しつつある。
 売上に伴って利益も急伸している。営業利益は214億6300万円(202.4%増)、経常利益は227億5200万円(188.1%増)、当期純利益は150.8100万円(297.3%増)となった。前年は赤字であった映画興行事業も増収増益で黒字を確保した。

 業績好調は、各部門においてアニメ作品の貢献が大きかった。第2四半期単独で最も興行収入が大きかったのは7月16日公開の『竜とそばかすの姫』の63億円、さらに『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』の32.1億円があった。(いずれも9月30日現在まで)
 さらに映像事業でアニメ関連のパッケージ販売、商品化ライセンス、配信が好調だった。主力は『呪術廻戦』『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』『僕のヒーローアカデミア』。パッケージ事業では『ウマ娘』のBlu-rayとDVDのセールス、アニメ製作事業の商品化権では『呪術廻戦』『僕のヒーローアカデミア』、『ゴジラ S.P〈シンギュラポイント〉』の利用収入もあった。映像事業部のアニメ製作事業収入だけでも140億200万円と前年同期の168.3%増に達している。

 映画事業全体では売上高は777億1300万円(104.9%増)、営業利益は136億2200万円(1337.3%増)である。映画営業事業では東宝配給で『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『名探偵コナン 緋色の弾丸』『竜とそばかすの姫』、東宝東和配給では興収36.2億円の『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』が主力となった。配給のほか製作出資分配金、作品輸出が伸びているが、テレビ放送収入とビデオ収入はマイナスだった。
 映画興行事業は引き続きの公開延期や休館・営業時間短縮や座席制限があったが、入場者数は前年同期より伸びた。
 映画映像事業はアニメに牽引され、257億8000万円(120.9%増)。パッケージ事業が86億2700万円(65.5%増)、出版・商品事業が20億2800万円(271.8%増)、アニメ製作事業が140億200万円、実写製作事業が5億7300万円(6.3%減)、ODS事業が4億1100万円(426.4%増)である。
 演劇事業は売上高65億7600万円(217.7%増)、営業利益は黒字回復し11億4700万円だった。不動産事業は324億8200万円(1.2%減)、営業利益86億6700万円(7.0%減)と、減収減益ながらも安定している。

 業績は第2四半期までで通期連結業績予想に対して高い水準を維持していることから、今回上方修正をしている。今年12月には、テレビアニメがヒットした『呪術廻戦』の初の劇場映画『劇場版 呪術廻戦 0』が控えている。新型コロナ禍の見通しは不確かだが、緊急事態宣言解除もあり、下期の業績にも期待がかかりそうだ。

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