映像配信プラットフォームのグローバル企業Netflixは、7月20日に2021年12月期第2四半期(21年1月~6月)の決算発表をした。前年同期比で増収増益と堅調な業績だが、新規の有料会員数の伸びの勢いは弱まった。
6月までの売上は145億500万ドルで前年比で21%増、当期利益は36億2800万ドル(114%増)である。いずれも高い伸びとなった。
売上増加は、会員一人当たりからの収入が伸びているためである。近年続く、月額料金の引き上げも効果を発揮していそうだ。会員当たりの売上は北米が最も高く月14.54ドル、ラテンアメリカが一番低く7.5ドル、アジア太平洋は9.74ドルになる。
6月末時点の有料会員数は2億900万人に達した。第1四半期(21年1月~3月)末に較べて150万人の増加。依然成長は続き、Netflix自身の事前の予想100万人増も上回った。それでもコロナ禍で伸びの大きかった昨年と較べてかなり減速している。とりわけ主要マーケットである北米(米国・カナダ)では7395万人と前四半期より43万人に減少となった。前年同期比では105万人増であるが、それでも成長イメージが強いだけにサプライズである。Netflixは季節的な要因と説明し、第3四半期以降は成長を取り戻すとしている。
伸びが大きいのはアジア太平洋。会員数は2788万人と他地域よりも少ないが、前年同期より539万人の増加だ。前四半期比でも103万人増と直近の成長の大きな部分を占める。売上は第2四半期までで15億6100万ドル。アジア太平洋で最も売上の高い国は日本とされている。
期間中によく見られた作品は、『アーミー・オブ・ザ・デット』の7500万世帯、『ファザーフッド』7300万世帯、『スイート・トゥース: 鹿の角を持つ少年』6000万世帯など。このうち『アーミー・オブ・ザ・デット』は2022年にアニメーションシリーズのスピンオフの配信が決まっている。
アニメーションでは、ソニー・ピクチャーズ・アニメーション製作の『ミッチェル家とマシンの反乱』の5300万世帯。また目先の第3四半期にはやはりソニー・ピクチャーズ・アニメーションの『ビーボ』が控えている。ライバルであるDisney+に対抗する作品になりそうだ。
第2四半期決算に合わせた発表では、大きなトピックが飛び出した。ゲーム分野への進出である。すでに配信する双方向作品『ブラック・ミラー: バンダースナッチ』や『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のゲーム版の経験を発展させたものとなる。
まずはスマホアプリに注力する。今後の展開時期は明らかにしていないが、将来的には映画やアニメーション、テレビドラマと並ぶコンテンツを目指す。またゲームの利用はこれまでの月額課金に含まれ、追加の料金は取らないとしている。