Netflix「幽☆遊☆白書」を実写ドラマ化、制作はROBOT

映画

 映像プラットフォームの巨人Netflixは、日本でもオリジナルアニメ企画・制作で番組製作者としてその存在感を急激に高めている。2020年以降は、さらに実写ドラマのオリジナル番組が台風の目になりそうだ。2020年12月15日、Netflixはオリジナルシリーズ『幽☆遊☆白書』の企画・製作を発表した。
 冨樫義博の人気マンガを実写ドラマとして、全世界同時配信する。配信時期は未定だが、傑作と知られる原作だけに、国内外で大きな話題になることは間違いない。制作プロダクションは、『ALWAYS 三丁目の夕日』や『BRAVE HEARTS 海猿』などでお馴染みのROBOTが担当する。プロデューサーは森井輝が務める。

 『幽☆遊☆白書』は1990年から94年まで、「週刊少年ジャンプ」に連載された人気マンガ。子供を庇って交通事故で死んだ高校生。浦飯幽助が霊界探偵となって、個性豊かな仲間と人間界、魔界、霊界を舞台に冒険アクションを繰り広げる。1992年から95年にかけてテレビアニメ、劇場アニメとなり、こちらも大人気を博した。『HUNTER×HUNTER』と並び、冨樫義博の代表作のひとつだ。
 Netflixは国内外から最高峰のチームが集め、原作がもつ壮大な世界観をかつてないスケールでドラマシリーズ化するとしている。またNetflixならの表現自由度の高い作品づくりを目指し、長さの規制に捉われない各エピソードでのストーリー展開を実現する。アニメとはまた異なり、従来のテレビドラマとは一線を画した2020年代ならの作品となりそうだ。

 2015年に日本に本格上陸したNetflixは、スタート当初から『火花』や『深夜食堂 -Tokyo Stories-』など、日本でもオリジナルドラマを手がけていた。しかし番組の数と話題性では、オリジナルアニメが先行していた。
 しかし2019年の『全裸監督』の国内外での大ヒットにより、一気にアクセルがかかっている。2020年には『Followers』、『呪怨:呪いの家』が配信を開始。さらに12月10日からは麻生羽呂のマンガを原作にした佐藤信介が監督するSFサスペンス『今際の国のアリス』が大型番組として配信を開始している。こちらもROBOTが制作している。『幽☆遊☆白書』はこれに続くかたちだ。
 さらに今後は満島ひかりと佐藤健が共演する『First Love 初恋』、米倉涼子が出演の『新聞記者』、角界を舞台にした『サンクチュアリ -聖域-』など多数の作品が予定されている。
 実写ドラマは、アニメやゲーム、マンガに較べるとグローバルではこれまで存在感が薄かった。しかし予算が高いことで知られるNetflixでの制作、世界同時配信が、今後、日本の実写ドラマへの注目を高めることもありそうだ。

Netflixオリジナルシリーズ「幽☆遊☆白書」
Netflixにて全世界同時配信予定

原作:冨樫義博「幽☆遊☆白書」(ジャンプ・コミックス刊)
エグゼクティブ・プロデューサー:坂本和隆(Netflix コンテンツ・アクイジション部門ディレクター)
プロデューサー:森井輝
制作プロダクション:(株)ROBOT
企画・製作:Netflix

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