中国のエンタテイメント業界の巨人テンセントグループの人気アニメが、国内有力エンタメ企業の手で日本に進出する。中国のテンセントビデオ(騰訊視頻)で配信され、大人気となったアニメシリーズ『魔道祖師』が日本に上陸することになった。
ソニーミュージックグループのソニー・ミュージックソリューションズ(SMS)とアニプレックスが、『魔道祖師』の日本展開に協力する。ただし今回の発表は日本展開決定のみで、作品の公開方法は後日告知となる。日中の大手企業グループがアニメで手を組む。
『魔道祖師』は、墨香銅臭氏が2015年から2016年にかけて中国でオンライン小説として発表された。古代中国を思わせる世界を舞台に、大きな力を持つ仙門の修行者たちを巡る戦いとドラマが繰り広げられている。華麗な男性キャラクターが人気で、BL(ボーイズラブ)な展開が女性ファンから熱烈な支持を集めている。
これまでに実写ドラマ化やコミカライズ、ラジオドラマ、ゲームなども作られ、大きなミディア展開もする。中国だけでなく、アジア地域でも人気を博している。
アニメシリーズはテンセント・ピクチャーズが制作、2018年からテンセントビデオを配信している。公開3日で4000万PVを超えたという。日本版は字幕版、吹替版をSMSとアニプレックスが制作する。
SMSはソニーミュージックグループで、エンタテイメントビジネスのソリューションを提供する。既に実写ドラマ版の『陳情令』の日本語版の配給を手がけている。今回はそれに続くもものだ。
アニプレックスは数々のヒット作を放つ、日本のアニメ業界で最も勢いのある企業のひとつ。マーケティングやファンコミュニケーションにも手腕を発揮する。だけに、どんなかたちで作品を展開するのか業界関係者からも関心を集めそうだ。
『魔道祖師』
原作: 「魔道祖師」 墨香銅臭
監督: 熊可
シリーズ構成・脚本: 梁沙
キャラクター原案・デザイン: 申琳
音楽: 孫玉鏡
日本版制作: ソニー・ミュージックソリューションズ、アニプレックス