新海誠監督の最新映画『天気の子』が2019年11月1日に中国全国公開をスタートし、予想通りの快調なスタートを切った。1日(金)から3日(日)までの3日間の劇場興行収入は早くも1億5400万元を超えた。日本円では23億円を上回る水準となる。また週末の興行順位では第3位を占めた。
しかし2016年に大ヒットとなり中国で公開された日本映画で過去最高興行収入の『君の名は。』の5億7600万元の水準はやや難しそうだ。中国の映画興収は日本や米国以上に初動偏重型で、特に外国映画は第1週、第2週にそのほとんどを稼ぎ出すためである。
それでも『天気の子』は公開3日間で、すでに日本映画では歴代8位につけている。『映画ドラえもん のび太の月面探査記』(2019)、『名探偵コナン ゼロの執行人』(2018)といったヒット作を超えた。
2018年に公開され映画では『千と千尋の神隠し』の4億8700万元、『名探偵コナン 紺青の拳』の2億3100万元、『ONE PIECE STAMPEDE 』の2億200万元に続く第4位である。『名探偵コナン』と『ONE PIECE』を超える可能性は極めて高く、当面は歴代3位でもある『千と千尋の神隠し』にどこまで迫れるかが鍵になる。
『天気の子』は前作『君の名は。』の大ヒットもあり、日本公開前から積極的な海外セールスをすすめた。日本3週間後に公開となった香港をはじめ、すでにインドネシア、オーストラリア、ニュージーランド、ベトナム、マレーシア、タイ、シンガポール、台湾、インドなどアジア太平洋地区で広く公開されている。今週末には韓国、ロシアでも上映がスタートした。
その中で海外最大の興行が期待されるのが中国であった。順調な滑り出しは、中国においても新海誠ブランドが定着していることを感じさせる。
今後は世界最大の映画市場である米国での動向が気になるところだ。こちらは12月の先行上映を経て、年明け2020年1月15日に米国・カナダ公開を予定している。