海外向けの日本アニメ配信の最大手クランチロールが、自社事業の拡大に動いている。昨今はオリジナルタイトルの開発、獲得にも熱心だが、その事業は映像そのものだけにとどまらない。
クランチロールは2019年9月30日に、バンダイナムコグループのアニメ会社であるサンライズ、そして創通から「ガンダム」シリーズの一部の作品の商品化ライセンを獲得したことを明らかにした。クランチロールがライセンスを取得したのは、『機動戦士ガンダム』、『新機動戦記ガンダムW』、『機動戦士ガンダム SEED』、『機動戦士ガンダム00』、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の5作品。シリーズ最初の『機動戦士ガンダム』のほかは、海外でとりわけヒットの大きかったタイトルだ。
ライセンス地域はクランロールの本社がある米国だけでなく、北米・南米の広い地域、さらにヨーロップ、オセニアも含まれる。今後アパレルやバッグ、アクセサリー、家具、インテリア、雑貨、ライフスタイルグッズ、食品などの分野で商品化を検討する予定だ。
「ガンダム」シリーズの商品化はすでに各国でされているため今回のライセンスは独占商品化権にはならない。しかし配信プラットフォームとECのクランチロール・ストア結びつけることで、商品販売の拡大につながると考えているようだ。
クランチロールは、配信以外のビジネス進出姿勢を明確にしている。商品化のほか、自社ブランドのライブイベントの開催や、アプリゲームを提供するクランチロール・ゲームズなどもある。
海外のアニメファンが求めるものは何でも提供する。そんなアニメコミュニティのハブ、それがクランチロールの描く、未来像なのかもしれない。