日本の地方の大家族が、ネット上に構築された仮想空間で世界を守るために戦う。2009年に劇場公開された細田守監督の映画『サマーウォーズ』だ。作品誕生から10年経つが、ソーシャルメディアは生活インフラとしてますます重要になり、現実は『サマーウォーズ』に描かれた世界に近づいている。
そうしたなかで『サマーウォーズ』公開10周年として、2019年7月に特別企画「OZ on VRoid powered by pixiv」が開催されることになった。細田作品をプロデュースする株式会社地図とグローバル規模のイラストコミュニケーションサイトを運営するピクシブが協力して実現する。
スタジオ地図は2019年を公開10周年として、「UPDATE」をテマに「スタジオ地図 in Summer 2019『サマーウォーズ』10周年プロジェクトを進めている。様々なプロジェクトが仕掛け、「SUMMER WARS OZ on VRoid powered by pixiv」は目玉のひとつだ。本ッリースは日本テレビでの放送合わせてのスタートになる。
「OZ on VRoid」は、ピクシブが開発するスマートフォンアプリ「VRoidモバイル」を活用したものになる。自身で3Dアバターを作って、ネット上に再現された仮想世界「OZ(オズ)」を体験できるものとなる。「VRoid」は今年7月にリリース予定で、誰もが自身の3Dアバターを持っているというシステム。これが『サマーウォーズ』に登場する仮想世界「OZ」とつながることから、今回の企画となった。
アバターや仮想空間の構築は、企画・制作をピクシブ、監修をデジタル・フロンティアが担当する。デジタル・フロンティアは『サマーウォーズ』をはじめいくつもの細田作品のデジタルパートを手がけてきただけに、ここも期待したいところである。
また今回注目されるのは、特別企画が世界規模のプロジェクトになっていることだ。「OZ on VRoid」は日本語バージョンのほかに、英語バージョンも用意される。
さらにプロジェクトの情報もフランス・パリで開催中のJapan Expoにて発表された。Japan Expo2019ではスタジオ地図とピクシブが共同ブースを出展するほどの力の入れようだ。7月4日のデモ映像公開も、このパリでの発表に合わせた。同時期に米国ロサンジェルスで実施されているAnimeExpo 2019でも「OZ on VRoid」紹介されている。
もともと海外でも人気の高かった細田守監督だが、昨年公開の『未来のミライ』が米国アカデミー賞にノミネートされるなど、さらにグローバルでの知名度が挙がっている。監督の海外での活躍が、こうした世界規模のプロジェクトを可能にした。
「OZ on VRoid powered by pixiv」特設サイト
https://vroid.com/special/summer_wars