オンラインゲームとして2000年代後半に一斉風靡した『アラド戦記』が、再びアニメ化される。2018年6月16日に、上海のオリエンタルスポーツセンターで開催された『アラド戦記』の中国サービス開始10周年記念イベントで発表された。ここでシリーズの今後の展開を一挙に明らかにし、その目玉のひとつがアニメ化決定であった。
アニメ製作には中国のIT企業テンセント、台湾のエンタテイメント企業フレンドリーランドが参加する。さらにアニメーション制作は日本の有力スタジオであるライデンフィルムが担当する。
監督は『幽遊白書』や『アルスラーン戦記』の阿部記之氏、脚本は『ゼーガペイン』や『ファイ・ブレイン 神のパズル』などの関島眞頼氏を起用する。プロデューサーはライデンフィルム代表取締役の里見哲朗氏が務める。
『アラド戦記』は韓国発のオンラインRPGゲームで、2000年代後半にアジア地域で大人気を博した。中国では2007年にゲーム進出したばかりのテンセントが展開し、同社の成長を牽引した大型タイトルである。
2009年にはGONZOのアニメーション制作で、テレビアニメ全26話が製作されている。今回のアニメ化はこれ以来となる。
現在のテンセントは中国のIT分野のトップ企業で、特にゲーム分野で強さを見せる。ゲームだけでなく、マンガやアニメ、キャラクターなど幅広い事業に投資を続けている。
長年の大型タイトルだけに、『アラド戦記』のタイトルを知る人は多い。中国展開10周年を機会に、あらためてブランド強化、ビジネス展開を目指すことになる。
一方、台湾に拠点を持つフレンドリーランドは、これまで日本マンガのビジネスを手がけてきた。また近年はテレビアニメシリーズ『時間の支配者』の制作にも参加している。こうした経験を活かすことで、グローバルコンテンツのアニメプロジェクトに参加する。
またライデンフィルムは、2012年設立の手描きアニメーションの制作会社。ウルトラスーパーピクチャーズのグループ会社のひとつである。
歴史は浅いが、事業展開は活発だ。『テラフォーマーズ』や『アルスラーン戦記』、『レイトン ミステリー探偵社 〜カトリーのナゾトキファイル〜』、『LOST SONG』など大型タイトルを次々に手がけている。
今回は中国、台湾との有力企業と手を組むことで、積極的に海外に目を向ける。3社は『アラド戦記』にとどまらず、今後も事業協力を進め方向としている。