一般社団法人日本レコード協会は、2月22日に2017年の音楽配信の年間売上高を発表した。前年比8%増の573億円となった。これは4年連続の成長となる。
しかし数量ベースでの年間配信売上は、1億4571万ダウンロードと前年比8%減少である。これは音楽分野でも定額課金で利用し放題のサービスが広がっているためだ。ストリーミングの勢いが増しており、その市場占有率は46%と、ダウンロード販売の47%に迫ってきた。
音楽配信市場は携帯端末の普及により、2000年代前半にダウンロード販売を中心に急成長してきた。しかしガラケーからスマホへの端末移行の波に乗り切れず、2005年をピークに販売数量が減少している。この影響を受けて配信売上金額も2009年の909億円を最高に2014年まで減少を続けた。
しかし、2010年代になり、変わって主役に躍り出たのがサブスクリプション型のサービスである。ネットにつながる場所であれば、ダウンロードすることなくいつでも音楽を楽しめるサービスが受けた。売上高は2013年には前年の10億円からいっきに30億円に3倍増、その後も高い成長を続けて2017年には237億円となった。
2017年にはアニメ音楽でも、月額定額課金でアニソン聴き放題サービスの「ANiUTa」がスタートしているなどの動きがあった。サブスクリプションの普及で、音楽配信市場は再び成長軌道に乗っている。
一方で、音楽市場全体の売上高は2893億円で前年比3%減となる。若干の縮小である。音楽ソフト(CD、DVD、Blu-rayなど)の生産額が2320億円と6%減となったことが響いた。配信売上高の伸びが、音楽ソフトの売上減少をカバーしきれなかった。
それでも日本の音楽ソフトの売上げは世界でもトップクラス。配信市場と合せると3000億円前後の市場を維持していることになる。