数々のヒットアニメのシリーズ構成、脚本を務めてきた岡田麿里が、アニメ監督に挑んでいることが明らかになった。2018年2月24日にショウゲート配給で全国公開する『さよならの朝に約束の花をかざろう』である。岡田は本作の監督・脚本を担当する。
製作発表のあった7月6日には、約30秒の特報も公開された。ストーリーやキャラクター設定は明らかにされていないが、歴史のある街に暮らす金髪の少女が登場するのが分かる。映画のために新たに生まれた企画のようだ。
監督を務める岡田麿里は、1976年生まれ。1996年に脚本家デビュー、98年からはアニメの脚本も手がけるようになった。2000年代以降は、『とらドラ!』や『true tears』、『花咲くいろは』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、『心が叫びたがってるんだ。』といったヒット作を次々に送り出した。少年少女の研ぎ澄まされた心の動きを、表現することを得意とする。
アニメは監督やキャラクターデザイン、音楽など様々なスタッフで成り立つが、そのなかでもシリーズ構成・脚本の担当者としてとして話題を作れる存在だ。「岡田麿里」の名は、アニメファンに広く知られている。
アニメ映画で、監督と脚本をひとりが共に手がけるケースは少なくない。しかし、多くの場合は演出出身のスタッフが、脚本も自ら書くものだ。脚本家が監督に進出することは決して多くなく、むしろ特異なケースとも言える。
それを実現させたのは、共に多くの仕事してきたP.A.WORKSの堀川憲司社長が、岡田に100%をさらけだした作品をいつか見てみたいと話した言葉だという。これを実現するために、監督をやらせてほしいと岡田が堀川に話した。
岡田節ともいえる脚本の味わいはこれまでも知られてきたが、監督を兼ねることで、どんな作品が登場するのか、注目を集めそうだ。
そんな作品を共に作るスタッフも、実力派が並ぶ。チーフディレクターには、『凪のあすから』の篠原俊哉、キャラクター原案に『ファイナルファンタジーXII』などゲームで活躍する吉田明彦、キャラクターデザイン・総作画監督に石井百合子、美術監督に東地和生、美術設定・コンセプトデザインに岡田有章。
音楽に重厚な曲づくりで定評のある川井憲次の起用もサプライズだろう。音響監督は若林和弘が務める。昨今は、オリジナルの劇場作品が映画業界、アニメ業界で注目されることが増えているが、大物脚本家が監督する『さよならの朝に約束の花をかざろう』が話題になることは間違いないだろう。
『さよならの朝に約束の花をかざろう』
http://sayoasa.jp
2018年2月24日(土) 全国ロードショー
配給 ショウゲート
監督・脚本: 岡田麿里
チーフディレクター: 篠原俊哉
キャラクター原案: 吉田明彦
キャラクターデザイン・総作画監督: 石井百合子
美術監督: 東地和生
美術設定・コンセプトデザイン: 岡田有章
音楽: 川井憲次
音響監督: 若林和弘
アニメーション制作: P.A.WORKS