アニメーション制作で国内最大手の東映アニメーションが、2017年4月1日付で組織変更を実施する。組織は企画製作本部内のもので、特にアニメーション制作に関わる製作部を大胆に再編する。
まず製作部製作室と編成課を統合し、新たに製作編成室を設ける。これによりスケジュールの改善や作品クオリティの向上を実現する。
アニメーション制作では、スケジュールの遅れはコスト増に直結する。一方で利幅は必ずしも大きくなく、ライセンス管理などの周辺事業と併せて全体で利益をだすことが少なくない。アニメーション制作部門の運営は、アニメ会社のなかでもとりわけ難度の高い分野だ。東映アニメーションでは、より効率的な体制を築くことでこれを経営する。
また新たに設けられる海外製作室は、原画・庶務課、動画・仕上課、美術課の3つの課が置かれる。ここからは制作過程のなかで、ますます海外部門の重要性が増していることが窺われる。
さらに製作開発室には、技術課、コンテンツ管理課、開発・育成課の3つを設ける。アニメ制作を続けるのと並行して、技術やアイディアの開発を重視していることが分かる。
もうひとつの変更は、デジタル映像部内の3つの課を全て、課より組織内での役割が大きい室に引き上げる。プロダクションマネージメント室、デジタルアニメーション室、システムテクノロジー室が誕生する。
東映アニメーションでは、2Dアニメのなかでますます多くCGを使うようになっている。また、4月からはテレビシリーズ『正解するカド』でデジタルアニメーションを全面的に取り入れる。制作におけるCGとデジタルの拡大がこの改称の背景にありそうだ。