水木しげる、伊藤潤二が米国アイズナー賞 コミックの殿堂入り

アワード/コンテスト

 米国のコミック業界が選ぶアイズナー賞のコミックの殿堂(The Will Eisner Award Hall of Fame)に、2025年は日本から2人が選ばれた。『ゲゲゲの鬼太郎』や『悪魔くん』で知られる水木しげると、『富江』や『うずまき』の伊藤潤二である。ホラー怪奇作品の巨匠・水木しげると、現在、国際的に活躍する伊藤潤二の対照的な2人の受賞となった。
 選考は事前に審査員が数名を決定する方法と複数のリストから業界関係者が投票するふたつの方法がある。今回水木しげるは事前決定、伊藤潤二は業界投票による選出となった。

 アイズナー賞は毎年、コミコンインターナショナル(Comic-Con International)が主催し決定するアワードである。コミック界のアカデミー賞と称されることも多い。1987年にスタートしたコミックの殿堂は長年、コミック業界に貢献し、大きな影響を与えてきた人物を顕彰する功労賞的な位置づけだ。
 ただ米国のアワードのため日本からの選出は多くない。日本からは手塚治虫(2002年)、小池一夫(2004年)、小島剛夕(2004年)、大友克洋(2012年)、宮崎駿(2014年)、高橋留美子(2018年)が選ばれている。最近は2002年に萩尾望都、2024年に中沢啓治を顕彰と、今回も含めて少しずつ受賞が増える傾向だ。

 これまでの日本からの受賞はかなりの大物ばかりだが、今回も同様になる。水木しげるは国内外で多くの受賞をするが2012年に『総員玉砕せよ!』で、2015年は『コミック昭和史』でアイズナー賞のアジア作品の最優秀を得ている。
 伊藤潤二は2019年に『フランケンシュタイン』が最優秀コミカライズ作品賞、2021年に『地獄星レミナ』、2022年に『死びとの恋わずらい』が最優秀アジア作品賞、また『伊藤潤二短編集 BEST OF BEST』が最優秀ライター/アーティスト賞を受賞している。海外出版されている作品が常にベストセラーに並ぶなど評価と人気の高さで、現在、最も日本が世界に代表する漫画家と言っていい存在だ。

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