東京藝大にゲーム専攻修士課程スタート 2026年4月上野キャンパスに開設

東京藝術大学大学院映像研究科ゲーム・インタラクティブアート専攻

 東京藝術大学大学院映像研究科が、ゲーム・インタラクティブアート専攻(Department of Games and Interactive Arts)の修士課程をスタートする。2026年4月より学生を受け入れる。デジタル社会の新しい芸術領域として、ゲーム分野にかかわる教育研究を目指す。
 ゲーム・インタラクティブアート専攻は、映像研究科に新しい専攻として加わり、修了生は映像学修士の学位を取得する。国内の大学院がゲームの特化した専攻を設けるのは珍しい。
 入学定員は一学年20名、収容定員40名。キャンパスは、現在映像研究科の映画専攻やアニメーション専攻のある横浜でなく、東京都台東区の上野キャンパスになる。

 東京藝術大学は芸術分野で国内有数の規模を持つ国立大学として広く知られている。1949年に明治時代初めより続く東京美術学校と東京音楽学校が統合するかたちで誕生した。
 美術と音楽の教育機関と見られがちだが、2005年に大学院映像研究科が設立され映画専攻が設置され、2008年からアニメーション専攻も加わっている。2016年にはアートプロデュースなどの大学院国際創造研究科も設立し研究領域の拡大をしているが、ゲーム・インタラクティブアート専攻もこうした芸術教育・研究の発展の一端を担う。

 映像研究科は2019年よりメディア映像専攻・アニメーション専攻内にゲームコースを開設し、ゲームを対象とした教育研究をしてきた。今回はこれをより本格的に展開するかたちだ。ゲーム・インタラクティブアート専攻の開設に伴い、映像研究科メディア映像専攻とアニメーション専攻に設けられていたゲーム研究分野の学生募集を停止する。
 藝大はゲームが美術や音楽、映像のほかデジタル技術の様々な要素を統合的に組み合わせて構成される「現代における新しい総合芸術」であると捉える。芸術分野のアプローチからゲームの多様性や可能性を広げるための教育研究を実施するとしている。

 専任教員は企画・ゲームデザイン領域担当の小山順一朗 教授、ゲームテクノロジー領域担当の三宅 陽一郎教授、社会応用領域担当の桐山孝司教授、文化・美学領域担当の八谷和彦教授のほか、准教授1名、助教2名の7名体制。
 企画・ゲームデザイン領域/ゲームテクノロジー領域/映像表現領域/社会応用領域/文化・美学領域の5つの研究領域を設定し、少人数のゼミ形式で指導する。また最新技術やゲーム文化を学ぶ授業などが設けられる。ゲーム分野教育研究で実績の高い南カリフォルニア大学との国際共同制作プロジェクトに参加することも可能だ。
 また2025年7月24日に、専攻開設発表会「藝大がゲーム専攻を作る理由」を東京藝術大学上野キャンパスにて開催する。

東京藝術大学大学院ゲーム・インタラクティブアート専攻
https://games.geidai.ac.jp/

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