ポリゴン・ピクチュアズは、米国カリフォルニア州ロサンゼルスの2DアニメーションスタジオTITMOUSEと業務提携し、幅広いターゲット層に向けたアニメーション作品を開発する。3DCGの技術力と映像クオリティで定評のあるポリゴン・ピクチュアズとTITMOUSEのクリエイティブを融合させる。低年齢層から大人までの幅広い世代に向けて、2Dと3DCGが融合した新しいアニメーションを開発する。
両社が協力したシリーズ作品は既に複数開発中で、タイトルなどの情報は両社の公式サイトやSNSなどで今後、順次発表する。国境とジャンルを超えた作品づくりの成果が期待される。
ポリゴン・ピクチュアズは日本を代表するCGスタジオで1983年設立された老舗だ。アニメーション分野においては、現在世界で最も長い歴史を持つCGスタジオとされている。
2D手描きアニメが主流の日本おいて、3DCGに2Dスタイルの表現も取り入れるなど、豊かな映像づくりに定評がある。『シドニアの騎士』から「トランスフォーマー」シリーズ、『スター・ウォーズ レジスタンス』まで、映像表現手段も幅広い。海外企業との協業も多く、グローバルなプロジェクトを得意とする。
そうした中だけに、ポリゴン・ピクチュアズと海外企業の提携自体には驚きは少ない。むしろ驚きは、TITMOUSEのほとんどの作品が2Dで制作されていることだろう。3DCGに強いポリゴン・ピクチュアズとは補完関係にあるが、2Dが強い日本、3DCGが強い米国といったアニメーション業界の見方がここでは逆転している。
TITMOUSE は米国のアニメーション業界ではよく知られ、1999年の設立以来、コメディやポップカルチャーを題材とした作品で高く評価されきた。Netflixの人気作『ビッグマウス』や『スタートレック』のテレビシリーズ『スター・トレック:ローワー・デッキ』、「スター・ウォーズ」シリーズの短編アニメーション『スター・ウォーズ ギャラクシー・オブ・アドベンチャー』などヒット作を数多く手がける。
両社で開発中の作品の内容はこれからになるが、TITMOUSEの世界観がポリゴン・ピクチュアズの映像で実現といった作品もあるかもしれない。国境を越えた新しい試みの生み出すクリエイティブに期待したいところだ。