日本映像ソフト協会は、2024年8月19日に2024年上半期(1月~6月)の国内のビデオソフト(DVD、ブルーレイ)売上金額を発表した。調査は日本映像ソフト協会会員である国内の主要な映像ソフト会社の発売・販売するビデオソフト出荷金額を合算したものだ。国内の売上の大半をカバーすることから、ビデオソフトマーケットの動向を見る指標となっている。
19日の発表によれば期間中の総売上高は440億5200万円、前年同期比で22.8%減と厳しい数字となった。長期低減傾向に歯止めがかかっていない。とりわけDVDの落ち込みが大きく前年比で34.6%減、また個人向け販売よりもレンタル店向けが弱かった。ジャンル別では、これまで堅調であった「音楽(邦楽)」が厳しく4割を超える減少で不振が際立った。
そうしたなかでアニメーションは堅調であった。10歳以上向けの日本作品を対象とする「日本のアニメーション(一般向け)」の個人向け販売の売上は、124億4600万円で前年同期比3.1%増だった。
レンタル向けを合算すると「日本のアニメーション(一般向け)」の売上は、132億5300万円となる。また9歳以下の子供向け作品も合わせると136億3000万円だ。さらに「海外アニメーション(一般向け)」と「海外の子供向け(アニメーション)」も含めたアニメーションジャンルの総合計は142億3500万円。
しかし子供向け、海外アニメーション、レンタル向け全てを合算してもおよそ18億円と全体の1割程度である。アニメーションのDVDとブルーレイの大半が、大人向けの国内作品を購入する一般ファンによって支えられていることがわかる。
他ジャンルが苦戦するなかで2024年上半期の国内アニメーションが好調だったのは、2月28日に発売された『THE FIRST SLAM DUNK』の存在が大きい。劇場では興行収入158億円超のメガヒットになったが、映像ソフトでも記録的な売上となった。
発売初週の売上枚数はオリコンの調査によれば23万枚超、累計でも30万枚を超えている。数万枚でヒットとされる現在のアニメDVD・ブルーレイでは驚異的な数字で、これが全体を牽引した。