音楽配信の世界的大手プラットフォームのSpotifyが、日本のアニメ音楽の世界配信に力を入れている。日本アニメの関連楽曲を集めた「アニメハブ」をグローバル向けにリニューアルし、海外輸出の強化に乗りだした。
Spotifyはスウェーデン・ストックホルムに本社を持つグローバル規模の音楽プラットフォームだ。2008年にサービスを開始、デジタル配信時代のニーズを追い風に急成長し、現在は1億曲以上の楽曲を提供する。ユーザー数は世界6億2600万人以上、このうち2億3900万人以上が有料のプレミアム会員になる。音楽ビジネスにおける影響力は絶大だ。
アニメへの積極姿勢の背景には、昨今の日本のアニメ音楽の世界的な人気上昇がある。昨年からYOASOBI「アイドル」やCreepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」などアニメ発のグローバルヒットが続くが、そうした現象はSpotifyの視聴数字にも表れている。
Spotifyジャパンによれば、日本のアニメ関連楽曲のグローバルでの再生回数は2021年を基準にすると現在は約4倍になると言う。過去1年間ではSpotifyの提供する公式アニメプレイリスト「Anime Now」と「Women of Anime」の再生数は平均75%上昇している。リスナーは特に米国やインドネシア、メキシコ、ブラジル、台湾などで増加中だ。
Spotifyは2019年から、公式アニメプレイリストや関連ポッドキャスト、音声コンテンツなどをワンストップでアクセスできる「アニメハブ」を提供してきた。今回はこれをリニューアルして、国内外のアニメファンへのリーチを拡大する。カバーリストも一新し、Spotifyのオリジナルキャラクターが楽曲をナビゲートする。
新しい「アニメハブ」では、様々な切り口から楽曲を探せるように工夫した。たとえば「人気のアニメ」「トークから楽しむアニメの世界」「ジャンル別」「年代別」などの各カテゴリーから楽曲を選び出す。
さらに「Anime Now」や「Anime On Replay」といったSpotifyによる12の公式アニメプレイリストのカバーがある。昭和、平成、令和といった年号別のプレイリストやアニメ動画配信の大手Crunchyrollと提携した公式ポッドキャストやプレイリストも用意する。