日本アニメの世界配信大手のクランチロールが、アニメ関連の音楽映像配信をいっきに拡大した。ソニー・ミュージックエンタテインメント所属アーティストのライブコンサートの映像やミュージックビデオを大量にラインナップに加えた。
配信アーティストは、AimerやASIAN KUNG-FU GENERATION、LiSA、澤野弘之など250組を越える。いずれも人気アーティトだが、アニメとのタイアップも多く、アニメファンの支持も高い。配信映像はライブコンサートが100本以上、ミュージックビデオは3200本にもなる。いずれも有料会員向けとなるが、クランチロールの有料会員数は、現在全世界で1000万人を超える。
近年、人気が高まる日本アニメだが、世界的にはアニメだけでなく関連するカルチャー分野への波及が大きくなっている。なかでも音楽は人気アニメ番組やアニメ映画とタイアップすることで、アニメファンに届くことが多い。各国のアニメコンベンションといったイベントではアーティストをゲストに招いたライブも開催されるが、多くのファンが集まる。さらにそこから音楽やアーティストに関心が広がる。
実際にアニメを中心とした日本からの楽曲提供では、すでにSpotifyやApple Musicといった音楽配信プラットフォームでいくつもの専門チャンネルがあるぐらいだ。
クランチロールにとっては音楽だけでなく映像がつくことでこれらと差別化できるだけでなく、アニメ配信プラットフォームに対しても豊富な音楽コンテンツで差別化になる。プレミアなコンテンツが、有料会員の獲得や維持に力を発揮することになるだろう。
クランチロールがこれだけの楽曲、映像をいっきに配信出来るのは、同社がソニー・ミュージックと同じソニーグループの一社であるためだろう。2021年のソニーによるクランチロール買収の成果を着々と築きつつある。
ソニー・ミュージックにとっても、日本カルチャーに関心のある1000万人に所属アーティストの楽曲がいっきにアクセス可能になるのは大きい。アーティストに認知度向上や、人気拡大にもつながるはずだ。