日本アニメとそこから派生する関連市場の総計が過去最高を更新し、約2兆7400億円に達したことが分かった。2022年11月8日、日本動画協会は2021年の日本アニメの関連市場統計を集計した最新数字として、2021年の世界の日本アニメ市場が2兆7422億円であると発表した。
2021年の推計は前年比で13.3%増となり、これまで過去最高であった2019年の2兆5145億円をも大きく超えた。日本アニメの世界市場は約2兆円と言及されることが多いが、実際の数字はむしろ3兆円に近づきつつある。
市場の成長は、国内市場の回復に支えられている。2020年新型コロナ禍で前年比10.1%減だった国内市場は前年比で21%増の1兆4288億円と大きな伸びを見せ、過去最高1兆4288億円になった。
引き続き好調を維持する配信が前年比65.9%増と高い伸びを見せたほか、商品化が6631億円(14%増)と勢いがあった。またコロナ禍で打撃の大きかったライブエンタテイメントも回復基調にある。コロナ禍自体は依然続いているが、そうした環境に対応しながら事業開拓を進めた結果が数字に表れたかたちだ。
2010年代以降の拡大で存在感を増している海外市場も依然、堅調だ。1兆3134億円はこちらも過去最高金額となるが、伸び率は6%と国内市場を下回った。海外市場規模は2020年に国内市場を初めて超えたが、2021年は再び国内が国外を上回ったかたちだ。
数字拡大の一方で、アニメ制作現場では危機感は根強い。制作本数の増加に対しても、業界での見方は二分される。制作スタジオからは、安定した受注がある一方で人材不足や制作費高騰などの問題が指摘されている。
アニメ制作企業の売上から算出されるアニメ業界市場は2972億円だった。こちらも近年高い伸びを続けているが、21年の伸び率は6.7%増、アニメ市場全体や国内市場の伸び率を下回っている。
産業全体、分野ごとの詳しい数字は、11月11日に日本動画協会より発表される「アニメ産業レポート2022」にまとめられている。
こちらは124ページに折込図表4面、さらにウェブ上で利用可能な「2021年アニメ全作品 年間パーフェクト・データ」も含めて10000円(税別)、エスピーアイ・インフォメーションのWebサイトにて書籍版、ダウンロード版が購入できる。また東京・秋葉原の「AKIBA INFO.×TOKYO ATOM -INFORMATION&SHOP-」、東京・渋谷の「東京アニメセンター in DNPプラザ」、さらに京都国際マンガミュージアム ショップでの販売もする。
「アニメ産業レポート2022」
https://aja.gr.jp/info/2049