2022年JASRAC賞1位「紅蓮華」2位「炎」、国際賞は「NARUTO」

音楽

 日本音楽著作権の管理団体JASRACが5月に発表した2022年JASRAC賞が、2021年もまたアニメ『鬼滅の刃』の楽曲が音楽業界で大活躍だったことを明らかにした。2021年の著作権使用料の分配金がもっととも多かった金賞をテレビアニメ『鬼滅の刃』のオープニングテーマである「紅蓮華」、銀賞は『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の主題歌である「炎」が獲得した。
 JASRAC賞は、毎年、前年に音楽配信、カラオケ、CM、放送などから生じる著作物使用料が大きかった楽曲の功績を顕彰するために発表されている。国内で最も頻繁に聞かれた曲と言っていいだろう。

 「紅蓮華」と「炎」はいずれもLiSAが歌うアニメ『鬼滅の刃』の関連楽曲だが、リリーズがそれぞれ2019年と2020年。21年のランキングのツートップはアニメ作品とアーティストの人気の高さを感じさせる。
 このほかにもアニメタイアップの楽曲がランキングされている。8位『廻廻奇譚』ハテレビアニメ『呪術廻戦』のオープニング、9位『怪物』はテレビアニメ『BEASTARS』のオープニングである。いずれも単なる主題歌であるだけでなく、作品の世界観も反映している。10位は懐かしのテレビアニメ『天才バカボン』の主題歌だった。

 JASRACは国内からの著作権使用料分配だけでなく、海外の著作権管理団体からの入金が最も多かった国内作品の上位ランキングも発表している。最も分配額が多かった楽曲を国際賞として別に顕彰する。こちらは「NARUTO-ナルト-疾風伝BGM」が受賞した。
 海外からの分配額上位は例年、アニメ関連が多数ランキングし、今回もベスト10のうち9つがアニメ関連楽曲であった。2 位以下は「ワンピースBGM」、「NARUTO BGM」、「HUNTER×HUNTER BGM」、「七つの大罪BGM」、「ドラゴンボール超ブロリーBGM」、「ポケットモンスターBGM」、「ドラゴンボール超BGM」などが続く。
 これらは著作権使用料の徴収システムの整った欧米でのテレビ放送が多いことも理由にある。1位の「NARUTO-ナルト-疾風伝BGM」の収入は米国が全体の41.9%、フランスが27.6%、ドイツが23.6%と上位3か国で全体の9割を超える。

 2021年度の全体の使用料徴収額は1167億3000万円、分配額は1159億7000万円だった。徴収額は前年比3.6%増で、2019年度に続く過去2番目の高水準となった。新型コロナ禍の影響で飲食店での利用、カラオケは伸びなかったが、インタラクティブ配信が好調だった。

JASRAC賞
https://www.jasrac.or.jp/profile/prize/2022.html

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